【文豪ストレイドッグス】もういちど。参【中島敦】 (ページ2)

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第95話「報告」夢主ページ2

「……で、何か話したいことが有ったのだろう、いろは？」
「お見通しでしたか、太宰さん。」

太宰さんの“お願い”で一緒に二人きりでお昼を食べていた私は、お箸を止め、モンゴメリについての報告を簡潔にする。

「……組合(ギルド)の襲撃に会い、賢治君が捕らわれていることが発覚しました。敵はルーシー・モード・モンゴメリ。異能は異能空間に連れ去り、異能生命体“アン”と敵対者を戦わせる(鬼ごっこをさせる)ものだと思われます。私は取引を持ち掛けたので暫くは大丈夫だと思いますが……太宰さん以外の他の探偵社員は危機感を持った方が賢明かと。」
「……ふむ。」

私の報告を聞いた太宰さんは何か考え始めたらしく、食事する手を止め、静かになる。

「好い事考えた！よし、皆にはこの情報、伝えないでおこう！」
「……え？本気ですか、太宰さん……？」
「うふふ。本気だよ。」

にこにこと笑いながらそう云う太宰さんに、私は呆れる。

「……ただ、敵の狙いは敦君だ。そして今一番敵について知っている“強者”はいろは。……出来るだけ一緒に居る様に。護るんだ。女王の専売特許だろう？……期待しているよ。」
「……！はいっ、お任せください！」

太宰さんの言葉に、私は力が漲るのを感じる。
護るのは女王が一番得意とすること。
失敗はしない。

……厭、してやるものか。
大切な人は、二度と失ってたまるものか。

「敦くんは、私が護る……！」

私は、固く……決意した。