第90話「アンの部屋」夢主 ページ46
「……あ。もうこんな時間。外回り行ってきますね。」
「嗚呼……今日は暁が担当だったな……。頼んだぞ、暁。」
「いろは、一人で行くのかい?それは危ない!!私がついて__」
太宰さんが国木田さんと話していた私にそう云いかけたので、私と国木田さんは同時に云う。
「太宰、お前はさっさと報告書を書かんか!」
「太宰さん、嬉しいですけど報告書書くのが先です。」
「そ、そんな……。ソル君、いろはが冷たい……理由、判る……?」
「太宰さんが仕事をちゃんとしてないからでしょう。……というか、僕には十分優しく接してるように見えますが。」
涙目でソルに助けを求めた太宰さんだったが、いつもの微笑みを浮かべたソルに突き放されてしまったのだった。
「行ってきまーす!!」
私はそう云うと、階段を降り、いつもの様に軍警の屯所や、顔見知りの検察官の方の事務所、商店街何かを回っていく。
「……よし、ここで最後。駄菓子屋に寄って乱歩さんの駄菓子を買っておこう……。」
私がそう呟き振り向いた瞬間……そこは見たことも無い部屋に変わっていた。
その部屋は普通の人の子供が遊ぶにはかなり大きすぎる玩具や……これまた大きな包装された、所謂プレゼントボックスなんかが置かれ、天井はリボン何かで飾られている。
そして、私の背後には出口らしき扉が、前方には先程社で見た
「……初めまして!ようこそ、アンの部屋へ!私はモンゴメリ。ルーシー・モード・モンゴメリ。貴女は?」
「……私は暁いろは。それで……一体何の用、モンゴメリ?」
「要件は簡単よ。……いらっしゃい、アン。」
モンゴメリがそう云うと、その背後から、大きな影が現れる。
“其れ”は、私の女王の様な存在なのだろう。
「あのドアには貴女のお仲間の、麦わら帽子の少年が囚われているの。取り返したいのなら、アンと鬼ごっこをして遊んで頂く事になるわ。……どう?参加なさる?」
赤毛の少女は……また、楽し気に嗤った。
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作者名:業猫 | 作成日時:2019年6月13日 11時