第86話「ソルの入社試験(二次)後編」アグラソル ページ42
青年は僕に次々と
このまま相手の体力が尽くのを待っても良いが、それは流石に時間がかかり過ぎるので僕はそろそろ攻撃を仕掛ける事にする。
青年の
「……へぇ。思ってたよりも“戦い慣れてる”ね。良いだろう、本気で戦わせて貰おうか。」
僕が笑ってそう云うと、青年の顔は真っ青になる。
……さて、いろはならここで疑似女王を創り出し少女を救い出して終わりなのだが、生憎僕と女王は相性がとても悪い。
その影響で、一つの場所にしか異能を展開出来ない。
青年を倒すために異能を使おうとすると、少女は無防備になってしまうのだ。
その為、僕は青年の背後に置かれているリモコンを手に入れ、少女の爆弾を解除する必要がある。
確実にそれを行うには青年を気絶させるか、もしくは完璧に戦意喪失させる必要が有るのだが……
「……首の後ろ側、かな」
「……!?」
僕はそう云うのと同時に呼吸や思考を一旦止め、気配を消し、青年の視界から出て背後に回り……首元にチョップを食らわせ、気絶させる。
そして銃を取り出し、頭を砕こうとしたところで動きを止める。
「……しまった、殺しちゃいけないんだった。マフィア抜けたんだったな……。」
「……紳士的な方だと聞いてましたけど、矢っ張り元マフィアですわね……。」
「最後のが無ければ完璧だったな……。」
僕がそう呟いたのとほぼ同時に、少女は口に張られていたテープを取り、呆れ顔で此方を見、僕の後方からは国木田さんが入ってくる。
「……一体、これは……?」
「入社試験、ですわ。昼間の面接は建前で、こっちが本当の試験ですの。少々意地悪でしたが……殆ど完璧でした。最後殺そうとしなければ、満点だったのですけど……。……ですよね、社長?」
「……嗚呼。正式に採用としよう。」
国木田さんの背後から、着物を着た風格のある男、武装探偵社の社長たる福沢諭吉が姿を現す。
社長に国木田さんや少女は頭を下げた。
「ここには居ないが……いろはにつくと良い。既に頼んである。」
「……はい。」
__こうして、アグラソル……ソルは正式に、無事探偵社に入社したのだった。__
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作者名:業猫 | 作成日時:2019年6月13日 11時