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第36話「座右の銘」夢主 ページ37

「あのなぁ貴様!先刻から聞いていれば、やれ推理だたれ名探偵だなどと、通俗創作の読み過ぎだ!事件の解明は即ち、地道な調査、聞き込み、現場検証だろうが!」

と、痺れを切らしたらしい刑事さんはそう云う。
だが、乱歩さんは呆れたように「はぁ?」と云ったのだった。

「まだ判ってないの?名探偵は調査なんてしないの。僕の異能力『超推理』は一度経始すれば、犯人が誰で何時どうやって殺したか、瞬時に判るんだよ。のみならず。どこに証拠があって、どう押せば犯人が自白するかも、啓示の如く頭に浮かぶ。」
「巫山戯るな。貴様は神か何かか!そんな力が有るなら、俺たち刑事は皆免職じゃないか!」
「まさにその通り。漸く理解が追いついたじゃないか。」

そう、呑気に笑う乱歩さんを、刑事さんはギッと睨み付ける。

「……分かります。私も探偵社じゃ無けりゃ睨みたい。」
「何言ってるの、いろはちゃん……。」

私がぐっと拳を固く握り絞めて刑事さんに同情していると、苦笑した敦くんがツッコんでいた。

「まぁまぁ落ち着いて。乱歩さんは始終こんな感じですから。」

私が丁度敦君にツッコまれていた頃、イラついている刑事さんに太宰さんは涼しい笑顔でスッと間に入っている。

「……本当に綺麗な顔をしてらっしゃる。」
「……本当に付き合ってないの?」
「私と太宰さんが?絶対ない。私じゃ恐れ多いし、何よりタイプじゃない。後、お兄ちゃんみたいな立ち位置だから。」
「ねぇ、何で私振られてるの。まぁ私も妹みたいに思ってるから良いのだけれど、でも矢っ張り少し傷つくよ?」
「……ごめんなさい。」
「ねぇ、何で私振られてるの!?」

そんな茶番をしていると、乱歩さんは格好つけて「まぁ……僕の座右の銘は『僕が良ければすべてよし』だからな!」と何故かドヤ顔で云っている。
因みに太宰さんの座右の銘は「清く明るく元気な自i殺」、敦くんは「生きているならいいじゃない」、私は「求めるならば強欲に」である。

第37話「依頼」夢主→←第35話「即席名探偵」夢主


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設定タグ:文スト , 中島敦 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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業猫(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます……修正しますので少々お待ちください;; (2020年6月4日 23時) (レス) id: 3f4322bc19 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 名字を設定しても、(名字)のままなんですけど.... (2020年6月4日 23時) (レス) id: 63ee3bf45b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:業猫 | 作成日時:2019年5月20日 18時

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