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第11話「森 鴎外」夢主 ページ12

興味津々といった目で私を見てくるその人物前に、太宰さんに教えられた名を思い出す。
“森 鴎外”。
首領(トップ)の方の名だ。

「(この人が……“そう”なのか……)」

私は息を呑む。
圧倒的力の差、圧倒的強者とはこのことを言うのか、と。
目の前に居るこの人は、その気になれば私などいとも容易く殺せてしまうだろう。

「太宰君たちがあそこまで必死になるその意味……私に、見せてくれるね?」
「……!!」

太宰さんは私の恩人だ。
勧誘を受けた時、私はこの人の為ならマフィアだろうと何だろうと、私を扶けて頂いた恩返しをする為なら何だってなってやる……そう思ったのだ。
……大丈夫、何だって乗り越えてみせる。

私は私の中の決意をより強固なものにして、拳を握って首領を見つめ返した。

「……!!善い!!」
「へ……?」
「善い目だ!!合格!!合格だよ!!」

混乱する私をよそに、森さんはキラキラと瞳を輝かせながら私を見つめる。

「よくやったね、いろは。」
「試験ってコレですか……?私てっきり、何か異能を見せたりするのかと……。」
「そっちはもう先に私達が保証してしまったからねぇ。必要なかったのだよ。才能が、能力があるなら残りは心だ。違うかい?」

艶やかに笑む太宰さんに、私は「そう……です、ね。」と頷き肯定する。

「さて、マフィアでは上司から加入の徴に贈る風習が有るんだ。いろはは私の部下になるのだし……私から、これを贈ろう。」

そう言い、太宰さんは私に細長い箱を差し出した。
開けてご覧、と微笑む太宰さんに言われるがまま、私は箱を受け取りそっと箱を開ける……と、そこには綺麗な瑠璃色の宝石のペンダントが入っていた。

「これを、私に?」
「嗚呼。私はこれから君をこき使うだ。だから、先に甘やかしておくのだよ。」
「……ふふ。意地悪ですね。」
「まぁね。……いらっしゃい、いろは。ようこそ、ポートマフィアへ」

そう、静かに笑う太宰さんは格好良くて、その後ろで「やっと一段落付いたからエリスちゃんと遊べる!」なんて云いながら「エリスちゃん」と戯れる森さんも、何故だか素敵に見えてくるのだから不思議だ。

「……宜しく、お願い……します!!」

私は、これから先起こることに期待を膨らませた。
必ず、太宰さんの役にたって見せるのだ……と。
返しきれないぐらいの恩を、返さなくてはならないのだから、と。

第12話「敦くん」夢主→←第10話「芥川 龍之介」夢主


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設定タグ:文スト , 中島敦 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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業猫(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます……修正しますので少々お待ちください;; (2020年6月4日 23時) (レス) id: 3f4322bc19 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 名字を設定しても、(名字)のままなんですけど.... (2020年6月4日 23時) (レス) id: 63ee3bf45b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:業猫 | 作成日時:2019年5月20日 18時

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