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成り代わって初めまして ページ3

※映画ネタバレが少し入ります※
※時間軸は適当です、気にしないで※





その日は久々の休暇ですることもなく
かと言って家でだらだらと怠けるのも今働いてる
鏡花ちゃんに気が引けて僕は街を歩く

「あ、猫だ」

歩いているうちに猫を見かけ
それを追いかけて僕は自分の知らない場所の
公園にたどり着いた。

その公園には不思議と誰もいなく
涼しげな風の音だけが耳に届く。
流石に歩き疲れたのでベンチに座って一休みを
することにした。

夏が近づいてきて少しずつ強くなってきた
日差しが暑くて仕方なくてこの間買ったばかりの
私服の袖を肘までまくる


__そこではじめてきづいた。

僕の隣にだれか座っていることに。


「え、っと」

「__やっと気づいたのかね」


何処となくその人に既視感を感じた。
思い出せそうで思い出せないその気持ちにもやもやする
頭に霧がかかったようにその人を深く思い出せないのだ。

声も、きっと名前もしってるはずなのに。
ぱくぱくと金魚が餌を求めるように空気だけが
口から出ていく。


喉が渇いた


「久しぶりというのが正しいのだろうか。」

「あ、あなた、は」

必死に喉から振り絞った一言は
か細く、聞こえるか危ういくらいのその四文字だった。

ギギギと音がするように油の切れた機械のように。
動きにくい首を隣に向ける。

見えたのは、一点の汚れも知らないような
白い、白い長髪だった。


「私は……、いやまたいずれ会える。
 きっとその時にこそ名乗れるだろう。」


それまではどうか誰のものにもならないでいてくれたまえ


その言葉を最後に重苦しい空気はなくなった。
瞬間、僕はバッと顔を見ようと目線を上にやった


額に感じた柔らかいモノ。
視界一杯に広がる彼のものであろう服の襟。
距離が近いのかふわっと香る男性とは思えない匂い


「それでは。
 _____中島Aくん」


「澁澤、龍彦……ッッ!!!」



彼は幸せそうな笑みを浮かべ、どこかに消えていった。



そのあと、寮に帰るまでの記憶は
思い出せるかと云ったらそれはきっと難しい。

けれど確かに頭にあったのは
あの公園での出来事だった……____。




__________


推しと絡ませることができた幸せ
あとどうでもいいけどタイトルを「猫に招かれて」と
軽く数分悩んだ←

はやくここまで→←敦くんが過保護?な話※



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作者名:露西亜帽 | 作成日時:2018年6月4日 23時

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