たとえ君が覚えていなくとも ページ16
私は今、とてつもなく困っている。
それはもう私の嫌いな”退屈”に襲われる以上には。
「どこに、何処に行ったんだ……。」
公園のベンチに座って軽く休憩をする
そもそも何故こうなったか、遡ること三十分前___。
「好き嫌いせずきちんと食べなさい
大きくなれないぞ」
「ぱぱもにんじんとかぼちゃ嫌いなくせに」
「……私は大人だしもう大きいからいいんだ」
「そういうの屁理屈っていうんでしょ。」
誰だうちの子にそんな言葉を覚えさせたのは。
「ぱぱの読んでる本にあった」
書斎のカギを閉め忘れていたあの時か……。
次から気をつけなければ
「兎に角だ、ちゃんとピーマン食べなさい。」
「……ぱぱなんて嫌い」
えっ
……___というわけでこの後走って家から飛び出していったわけだ。
何故すぐ追いかけなかったか?
・・・出ていったAをみて敦が泣きだしてそれをあやしていたら
というわけでだな。
「__若しかしたら、あそこか?」
公園に来たら必ずといっていいほど遊ぶあの遊具
……居たな
「A」
「ぱ、ぱぱ」
「敦も心配してる。帰ろう」
そう言って隠れているAに手を差し出すと
怒ってない?と涙目で聞いてくる。
「あぁ、怒ってなどいないさ。」
「ぱぁぱ、ごめんなさい」
小さい手で握り返して大きな目からこぼれる
涙を逆の指で掬う。
出てきたAを抱き上げて歩き出す
「ゆっくり克服していこうか。」
「……ぱぱもね」
・・・・はい。
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作者名:露西亜帽 | 作成日時:2018年6月4日 23時