風が強く吹いている

RUNNING.3 ページ4

ハイジ「ここだ。竹青荘。」

『古くて驚いた？私達はアオタケって呼んでるの。』

ハイジ「あっちが大家さんの家だ。あとで挨拶に行こう。」

「ハァハァハァ」

嬉しそうに尻尾を振って、興奮した息遣いで近づいてきた犬を黙って見つめる走

『犬のニラ。前にアオタケに住んでた先輩が拾ってきたの。」

走「変な名前ですね。」

『沖縄の方では、極楽のことをニラなんとかって言うらしいの。……なんだったけ？？』

思い出せずハイジを見つめ問いただす。

ハイジ「それから取った名前だそうだ」

『え？スルー？』

Aの問いをスルーしてハイジは続けた。

ハイジ「誰にでも愛想を振りまいちゃうバカ犬だけど、かわいいんだよ」

『酷い！バカ犬なところがニラのいい所よ？」

ハイジ「君の方こそ酷い言い様じゃないか」

『そんなことないわよ。」

走「(どっちも酷いよ)」

いい合う２人を見つめながら走は心の中で呟いた。




ハイジ「103号室お前の部屋だ。門限はなし。布団は布団は明日用意するから…今夜は俺の毛布で我慢しろ。」

『それじゃハイジが風邪ひくじゃない。家に布団余ってるからそれあげるよ。』

ハイジ「ありがとう、助かるよ。後で送った帰りに持って帰るよ」

『うん。』

ハイジ「仲間を紹介する。」

『ここの人達面白い人ばっかりだから、蔵原くん驚くよ。』

Aはアオタケの住人を思い浮かべながら笑いを堪える。

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