RUNNING.1 ページ2
『走るの好きか?』
鶴の湯
バサッ!
ハイジは体を洗ったあと湯槽に身を浸したがたまらずすぐに立ち上がった。
「相変わらず瞬間入浴だな、ハイジ」
ハイジ「3年経っても慣れませんよ。この熱さには。」
「どうだい、竹青荘は。今年は部屋が埋まりそうかい?」
ハイジ「まだこれといって。」
「最初で最後のチャンスがやってきたんだろ?」
ハイジ「あと一人。」
そう口にしながらハイジは鶴の湯を後にしようとしていた。
『あれ?ハイジ?』
後ろから名前を呼ばれハイジは振り返る。
「Aじゃないか。君も帰るところか?」
濡れた髪を垂らしながら自転車を引く見知った人物に応える。
『そうよ。相変わらずの瞬間入浴?』
ハイジ「どうも鶴の湯の熱さには慣れなくてね…。送るよ。」
なぜ知っているのかと苦笑いしながら答える。
『ありがとう。左官屋さんがいつも楽しそうに話しているの』
ハイジの心を読んだかのように笑いながら答えるA
左官屋とは先程ハイジと話していた人物だ。
Aの父親が経営する整形外科は高齢化している商店街の住人達の御用達である。
そこの娘であるAはよく住人達の話相手になっていた。
『あと1人だね…』
ハイジ「あぁ、必ず見つけてみせるよ。」
ハイジが寛政大学に入学し、竹青荘に住み始めてから交流があるAはハイジが3年間ずっと願っていることを知っていた。
ハイジの願いが叶えばいいと思いながらもAにはどうすることも出来ない…
「だれか…つかまえてぇ…」
今にも生き絶えそうな声が聞こえ2人が振り向こうとした時すぐ脇を男が通りすぎた。
一瞬のことだった。
ハイジ『借りるぞ』
『え?!ぁうん』
ハイジはAから自転車をもぎ取り、全力で立ち漕ぎして消えていった男を追った。
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夏夜 - 面白いです!!!!強く風が吹いているは今のところこのお話しかないので更新頑張って欲しいです笑 更新頑張ってください!待ってます! (2019年1月3日 0時) (レス) id: fcb91909ae (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな - アニメも小説も好きです頑張って下さいね (2018年12月29日 0時) (携帯から) (レス) id: 27a3e50045 (このIDを非表示/違反報告)
しきみ@ユキ推し - 風強小説少なくて、読めて嬉しいです。面白かったです。頑張ってください (2018年12月13日 1時) (レス) id: a02408bb7e (このIDを非表示/違反報告)
ヨナ(プロフ) - 面白いです!風強の小説がないんで嬉しいです!応援してます!頑張ってください!! (2018年12月8日 21時) (レス) id: 3ee8d37188 (このIDを非表示/違反報告)
まる - オリジナルフラグを外されないならルールを理解する気も守る気もない悪質なユーザーとして違反報告します (2018年12月7日 18時) (レス) id: 37f06ab587 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Blue | 作成日時:2018年11月28日 4時