大丈夫、俺らなら。2 (ページ4)

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宮舘side

？『翔太！』

？『涼太！』

？『この振りは、こうでいい？』

？『おう！次のはこうな！』

？『ふふ、やっぱり翔太と踊るのが1番しっくりくる！』

？『ふはっ、俺も！涼太と踊んのが1番楽しいわ！！』

踊っている間に、こんな会話が流れてきた。

俺はこの人と、踊ったことがある。
それも、随分前から。

でも、わからない。

だから多分この人のことも、悲しませるんだ。
だから、突き放さなきゃ。

なのに、やめられない。
だって、こんなにも楽しいんだもん。

初めてなのに、初めてじゃない。
俺はこの楽しさを知っている。

渡辺『はあっ、はあっ、はあっ。』

宮舘『はっ、はっ、はっ...。』

曲が止まる。

あぁ、終わっちゃった。
もう、終わりにしなきゃ。

この人と会うのも、もう最後にしなきゃ。

渡辺『ふはっ、やっぱ楽しいな。涼太と踊るのは。』

っ！

【？『ふはっ、俺も！
涼太と踊んのが1番楽しいわ！！』】

渡辺『あ...やべ。すみません、呼び方...って、え？
な、泣いてる？』

宮舘『え？』

俺はいつの間にか、涙を流していた。

何が悲しいのかもわからない。

悲しいのか、嬉しいのか、辛いのか、苦しいのか、
もはや感情がごちゃごちゃになっている。

宮舘『っ...泣』

ただ、この人ともう踊れないのかと思うと、離れないといけないと思うと、辛いんだ。

それは、この人だけじゃない。大介や、阿部、康二、照、ラウール。俺と接してくれた《メンバー》とも。

本当は離れたくない。
でも、これ以上辛い気持ちにさせたくないんだ。

ポロポロと零れ落ちる涙を見せるのすら申し訳なくて無理やり止めようとしたら、急に抱きしめられた。

渡辺『...泣きたい時は、泣いたらいいじゃん。』

その優しい声に、俺は堪えていた涙をまた流し始めてしまった。

宮舘『っ...っひ、っく...、ふっ...はっ...』

渡辺『落ち着いた？』

宮舘『は、い。
すみません、お恥ずかしい所を見せてしまって。』

目の前の彼は背中を軽くトントンと叩いてくれた後、そっと離れていった。

渡辺『...なんで泣いてんのかわかんねえけどさ、
1人で抱え込んでるならそれはよくねぇよ。ちゃんと話さなきゃ、なんも解決しねぇからな？』

今度は力強い目でそう言ってきた。
なんで彼はこんなにも、俺の気持ちが分かってしまうのだろうか、不思議な気持ちでいっぱいになった。