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鬼が八匹 ページ9

あれから事情を聞くと色々な事が分かった



だがそれはどれも良い事では無くて



私があの時すぐに牢に戻っていれば…



「そんな悲しそうな顔しないでください
私は平気ですから」



平気なはずないのに



そんな何も無かったかのように笑うきみ、否虚に心が痛む



「あなたが私を思って心を痛める必要は無いんですよ」



そういい虚が私の頬を撫でる



その優しさに思わず涙が出る



「だってぇ」



「全く本当にきみは泣き虫ですね
そろそろ慣れるものかと思っても結局最後の最後まで泣いてる」



「それは・・・今のこと?それとも、昔?」



「さあ、どうでしょうね」



「やっぱりきみは虚なんかじゃないわ」



「え?」



「とっても優しい人だもん」



そう言うとふっときみが笑う



「ありがとうございます」



「そういえばAに紹介したい人がいるんです」



「え?」



そういうときみは外にいる誰かを手招きした



「朧」



朧と呼ばれた少年はひょこりと顔を出した



「こんにちは・・・」



「!あの時の!」



「はい、とても危ないところを先生に助けていただきました」



バッと虚の方を見るとニコッと笑った



「…先生?」



「おや、何か言いたげですね」



「何も無いデスセンセー」



「さて、それでは本題に入りましょうか」



「本題?」



「ええ

朧にはもう伝えていますが改めて話しますね」



「お二人共朧の傷が癒えたら去ってください」



ぐっと重りがのる感覚に襲われる



「ここは話した通り奈落、人を殺すところです
何も関係ないAはもちろん私の贖罪で助けた朧をこの世界に巻き込むつもりはありません」



「私達、せっかくまた会えたのに··?」



「今私達不死者のことを知っている人は少ないです
きっときみなら普通の人と仲良くなれるでしょう

どう転んだとしても人を殺して生きることの方が辛いはずです」



「私はきみと一緒にいる
きみに拒絶されたって何があってもきみと一緒にいるから」



「先生、私も先生に命を救われた時から先生のために生きようと誓いました
私も曲げるつもりはありません」



「・・・はあ、全く・・・
これ以上言っても聞かないのでしょうね
また朧の傷が治ったらこの話をしましょう
それまで2人は小姓として話を通します」



そう聞いて朧とふたりで顔を見合わせる




「はい!」

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作者名:ヘアリー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HAK/  
作成日時:2019年2月22日 21時

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