【WT】薄氷を踏む【男主】 (ページ4)

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「A級4位部隊……!?強いとは思ったけどそんなに上だったのか……!」

「陽介たちとどっちが強い?」

「個人だとどーだろな。俺、ポイント覚えてねーし。なあA?」

「んー?どうだろ。緑川は成長の余地ありだしなあ」

中学生でA級部隊にいるんだから。つまりはそういうこと。まだ簡単に緑川に負けてやる気はさらさらないけど。

モニターに映された対戦風景をじっと見つめる。最初と2本目は緑川が勝った。それを観て悔しそうな声を上げる陽太郎。

「緑川はまだ浅いね」

「だな。向かうのが上だわ」

「なんだ!?ゆうまもミドリカワに負けるっていうのか!?」

「いや逆、逆」

そろそろ勝つぞ。その米屋の言葉が皮切りみたく始まった3本目。相打ちで獲ったのは白チビくん。

「捕まえた。もう負けはねーな」

「どういうことですか……!?」

「うちの隊の攻撃を4対1で凌いだやつが緑川1人を捌けないわけねーだろ。なんか知んねーが白チビのやつ、緑川をぼっこぼこにしたいらしーや」

うんうん相槌を打っていると知らない話題が1つ。待って、なにその4対1って。

「米屋もなんでおれ差し置いて楽しそうなことしてしてんの?」

なんとなくムカついたから米屋の脇腹を容赦なく殴った。痛くも痒くもなかったのか、けらけら笑いながら頭を撫でられた。おれはガキかなんかか?

「はいはい、Aちゃんは熱出して寂しかったもんなー」

「うっさい。やっぱお前後でハチの巣にする」