マネージャーの鑑【北信介】 (ページ12)

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旅行 6 ページ12

寝室へ向かえば、今にも寝てしまいそうな貴方の姿が。

信介「まだ起きとったん。」

『信介くんにおやすみ言うてへんもん。』

なんて可愛い事をいうから、ついつい本音が出てしまいそうになる。それが何かとは言わないが。

『明日には帰るんかあ。』

信介「もっと居りたなった？」

『ちょっとだけ。こんな贅沢1日で充分やね。』

信介「夕飯で出てきた米美味かったな。」

『ふふ、おかずやなくてお米？確かに美味しかったけど、うちは信介くんの作るお米が1番好きやで。』

信介「…言わせたみたいになってもうたな。」

『ちゃんと本心ですから。』

信介「そうや。まだ先の話やけど、今度の新米、また治んとこに持っていく事なったわ。一緒に来るか？」

『行きたい！治くんのおむすび久しぶりに食べたいもん。』

信介「ほな治にも伝えとくわ。電気、消すで。」

『ん、おやすみなさい。』

そばにある行灯を消せば、今度は窓からの青白い月明かりが俺たちを照らす。

上半身を布団に戻そうとすれば、何かで遮られる。

信介「…なんや、結局こっちで寝るんか。」

いつの間にか俺の布団に入り込んでいた貴方の頭をそっと撫でる。

サラサラと指をすり抜けていく良い香りのする髪。
何度でも触りたくなってしまう。

綺麗な肌を見れば、「美肌になりますように。」なんて言いながら熱心に温泉を体にかけていた先程の姿を思い出す。

信介「あんま可愛い事ばっかしとると食べてまうからな。」

我慢出来ずにポロッと零した本音は気持ちよく眠る貴方には聞こえるはずもなく。

信介「おやすみ。」

そっと触れるだけのキスをして瞼を閉じた。

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次の日

宿を出て帰る途中、お土産を渡しに婆ちゃんの所へ寄った。

少し話をして帰るつもりが、貴方が来て尚更テンションが上がった婆ちゃんにあれよあれよと家に上げられ、3時間ほどお喋りをしたことはまた別の話。