遠い出来事 (ページ4)

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穏やかな日々はすぐに終わった
前々から目をつけられてたらしく、家に帰ってきたところを親戚に殺された
両親は私の前に立って被弾しないように庇った
鮮血が舞う、私は今でも、それを覚えてる
7歳の出来事なのに、私は泣かなかった
親戚に引き取られ、私の1回目の人生はそこで幕を閉じた＿ガウスト家の幸せな、子供という

親戚の家に引き取られてからは私は雑用をこなし続けた
家畜の処理、料理、洗濯、掃除、そして…大人が捕まえた子供の殺害
前半は全然問題ない、さほど実家でやった事と変わらないから
でも、最後だけは堪えた
泣きはしなかったけど自分に銃口を向けられ泣く同じ位の子を殺すのは＿心が痛んだ
こっそりとバレないところに墓を作って手を合わせては「すまない」と呟いていた
＿＿それから、感情が薄くなった気がする
昔はそれこそ大笑いも出来た、口を大きく開けて歯を見せて笑ったりもしてた
けど、ここに来て笑うことがなくなった私はいつしか表情筋のちゃんとした機能を忘れていた

「ほら、さっさと起きな」

娯楽に博打に明け暮れる親戚は毎朝早い時間に私を鞭で叩いて起こす
寝床も最悪だった、寒いったらありゃしない

でも、このことに関しては何も感じなかった
感情を、捨てたからかもしれないし

＿＿いつかやり返してやろうと考えていたからかもしれない