例え仲が悪くとも (ページ5)

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再会ページ5

彩矢様と共に外へ出る
表玄関に出た時、玄関から先に広がる広間に兄上と予想した方が立っていた

「兄上！！トロイメアの姫君と客人でもある方の前でまだ醜態を晒すというのですか！？」
「……A…此奴が来たのが悪いんだぁ…」

涙目で近付く兄上に溜息をつきつつ「本当…すみません」と何度目か分からない謝罪を彩矢様に行った
そして、抱き着いて来ようとする兄上を今度は力を込めてはたく

「もう、頭を冷やすのではなかったのですか？」
「……だって此奴が」

またそれかと思い軽蔑した目を向けると兄上は分かりやすく落ち込んだ
此方も何度目か分からない溜息をつき前に立つ方に深々と頭を下げる

「兄に変わって非礼をお詫びします、ジョシュア様」
「…宇治もそうなら君のその兄に変わっての謝罪も相変わらずだね…A」

別に気にしてないよと微笑まれ心の中でときめく
以前パーティーで眺めるだけにしていたダンスの相手をしてくださった
不慣れと伝えれば経験はと聞かれた
あると答えれば合わせるとおっしゃってくださり、その通りに身体を運んでくださった
今でも覚えている、あの時の温かさ、そして

＿不慣れと仰られてましたが十分に上手でしたよ＿

あの言葉、そして笑顔
兄上に蝶よ花よと育てられた私が惚れない訳がなかった
…そのせいでこんなことが起きてるんだけど