小松田さん！！ ページ3
ひたすら足を動かしてじわ…と潤む目元を袖で乱暴に拭いながら“忍術学園”と書かれた看板の横を走り過ぎる。
そして門の前に人影を見つけ、走っていた足を遅めて荒れた息を整わせながらその人影に言葉をかけた。
『はっ……ッ、小松田、さん……、、』
人影がぴく、と気付いたようにこちらを振り向く。
その人影は門の前で掃き掃除をしていた事務員の小松田さんだった。
「誰かと思ったらAちゃんじゃない…って、ぅえっ！？ど、どうしたの？なんで涙目なの？」
『ゔぇ、ぅ…、小松田さん、、えぐ』
「え、えぇ…？？どこか痛むの？医務室行く？
う、うぅ〜こういう時の女の子ってどうしたらいいのか分かんないよぉ…」
門の前までひく、と喉を引き攣らせながら歩いていくと小松田さんが箒片手に駆け寄ってきて優しく声をかけてきてくれた。
普段気のぬけた間抜けた声でも今は酷く安心できる。なんだよお前イケメンかよ…(惚れた)
『ゔぇ”…ひっ、ぐす…馬鹿野郎……まじ○ねやあのうんこ……ずびっ』
小松田さんの優しい声にこらえていた涙が溢れてきた。
もう目が腫れるとか化粧が崩れるとか知らない、、と乱暴にゴシゴシと目元を拭ってずび、と鼻を鳴らす。
あー、もう、悔しい。
あんなに張り切ってめかし込んだのに、私なりに精一杯想っていたのに。それがあんな形であっさり全て砕けてしまった、もう本当最悪だ、何がママだよクソッタレ。
小松田さんはボソ、と「し、失礼しまーす…」と言って優しく背中を撫でてくれた。
なんだよお前優男かよ！！何がへっぽこ事務員だよただのイケメンじゃねえか！！！(？)
「ねぇ、ほんとにどうしたの…？
今日は綺麗におめかしして張り切って学園を出ていったじゃない、もしかして何かあったの？」
そう言って小松田さんは心配そうに私の顔を覗く。
私はまた目元を袖で拭って小さくはい、とだけ返した。
「そっかー…あ、もしかして好いてた相手の人になにか言われちゃった？」
『ﾌﾞｯﾌｫ…ｯ！！』
……そこは普通は気を使って聞かなかったりうまく誤魔化したりするんだが…
…うん、まぁな。小松田さんだしな
それに、今更変に気を使われるよりもずっといいか…。
『…そうなんですよ！！聞いて下さい、私ひっどい振られ方されたんですよーッッ！！』
「えぇ、本当！？」
『はい、実はかくかくしかじかで…』
小松田さんは眉を下げながら優しく話に相槌を打ってくれた。何この人…すっごいいい人じゃん…(感激)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 338人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「忍たま」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スイちゃんのご友人です！ - 更新待機 面白かったです三c⌒っ.ω.)っ ｼｭｰｯ (2023年2月6日 12時) (
レス) @page40 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - てか作者さん！！ 愛され最高✨ 天才です！！ 友達と今日遊んでその時にこれオススメしてハマってましたwww これからも無理の無い範囲で頑張ってください (2022年3月12日 19時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
杏。(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです〜！続き頑張りますね！！ (2022年3月12日 13時) (レス) id: fabe2279e9 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 今回も最高です！！✨ 続きまってますね (2022年3月12日 12時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
杏。(プロフ) - あいさん» うわぁぁあ初コメありがとうございます！！！そう言って頂けて嬉しいです…！！夢主ちゃんがずっと不憫…いつか報われるといいですね(笑) (2022年3月4日 19時) (レス) @page40 id: fabe2279e9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：杏。 | 作成日時：2021年8月17日 12時
