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あなた誰? ページ40

朝一番に起床したのは、珍しく乱歩であった。



窓の外から日が差す。


晴天__________


雲一つない。


時計を見ると、短針は九を指していた。


乱「ホラ、Aちゃん、起きて起きて。
もう朝だよ」


Aが薄目を開けると、時計が飛び込んできた。


『九時…九時?…あっ!』


跳ね起きた。


乱歩はため息をつき、支度してね、と促した。


立場が入れ替わったようだ。


いつもだったら、Aが急かしているのに。


この島の毒気にでも、洗脳されたような気分。


『うん…』


晴天の空に、雨が降っているかのような幻想に襲われた。


宿屋から出るとき、女将にあった。

ニッコリ微笑を返して、何も云わずに去って行った。


それを尻目に、二人は宿屋の扉を引いた。


相変わらず、人影も見当たらない。


Aはようやく広介の依頼の内容を思い出した。


一度宿屋に戻って、女将にあった。


『この島に、診療所はありますか?』


「ええ。ありますよ」


『どこに?』


「桟橋のすぐ左を真っ直ぐ行ったところですよ」


最後にうふふとつけて、女将は何処かへ行ってしまった。


乱「暑くないの?」

道中、乱歩がAに尋ねた。

Aはここでも、黒のパーカーにスカート、ニーハイで、肌の露出が全くなかった。


『別に』

乱「そう」

興味があったのか、そうでなかったのか。

非常に曖昧な生返事を返した。


すると、桟橋の少し向こうの方の木の影から、何かが覗いた。


少女____________?


少女(?)は二人に気がつくと、弾かれたように何処かへ身を隠してしまった。


乱「あっ、ちょっと、」

少女はぴくりと動き、振り向いた。


「誰!」

びっくりするほどの甲高い声、それはまるで、空気をも歪めるような。


『いや、別に、ね?あの、なんだったら色々
教えてほしいかなって。アナタ名前は?』


少女は二人を親の仇でもあるかのように睨んだ。


「どうしてそんなことしないといけないの」


ずっとこちらを見据えたままで動かない。


Aは数秒を少女を見ることに費やしていたが、またいつもの彼女に戻ってから、

『…あら、じゃあさようなら…診療所はこの
向こうであってる?』



少女はうなずいて、走って逃げてしまった。


その後ろ姿を、Aは感情の見えない目で見ていた。

島の診療所→←一つ、話してはならない


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丸ノ内マルフォイ - 闇川幽鬼さん» おお!とても丁寧なご説明、ありがとうございます!もう絶対教えてくれる人とかいないだろとか思ってたんで、とてつもなく嬉しいです!これからも更新頑張っていきますので、何卒宜しくお願いします! (2019年9月5日 22時) (レス) id: f3401d0768 (このIDを非表示/違反報告)
闇川幽鬼 - 次に貼り方は貼りたい場所を長押しすると上に「ペースト」という文字が出ます。それを押してコピー完了・・・だと思います。・・・説明下手ですいません。分からない所があれば言って下さい。上手く説明出来るか分かりませんが頑張ります。 (2019年9月4日 23時) (レス) id: 56867ea8da (このIDを非表示/違反報告)
闇川幽鬼 - いつも楽しく見させて貰ってます。URLの貼り方は貼りたい文字を長押しすると青い枠?が出てきます。枠の青い丸を長押しスライドさせて貼りつけたいURLを選択します。上に「コピー」という文字が出ます。それを押してコピー完了! (2019年9月4日 23時) (レス) id: 56867ea8da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:丸ノ内マルフォイ | 作者ホームページ:http://subetenohazimari  
作成日時:2019年8月14日 23時

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