事件と探偵 ページ11
『あのう、すいません、えっと、貴方がその、
私の依頼主さんのお使いの方ですか?』
Aはバス停のすぐそばにいた、若々しい青年に声をかけた。
ちなみに、彼女は初対面の人に対して、少し
吃るクセがある。
「え?いや、そうだけど…ん?も、もしかしてアンタが探偵なのか?」
疑惑半分な声音で青年は身をかがめて尋ねた。
『え?あ、いやまぁ、そうですけど…はあ、
私がその、探偵なんです。助手じゃないですよ、探偵なんです』
青年は彼女をじろじろと、舐め回すように見ていたが、やがてそれも中断し、ヤケクソのであるかのように彼女を先導した。
「名前、なんて云うんだ?」
『大下Aと云います。貴方は?』
「俺か?俺は甲田伸太郎。アンタが依頼主とか
云ってる、結城サンの、まあ、一回限りの
バイトだ。
あっそうだ、俺、アンタに手紙預かってらぁ」
彼は懐から茶封筒の手紙を取り出した。
赤いロウの印章が押されており、今の時代に
こんな手間のかかる、昔の西洋みたいなことをする人間がまだいるのかと、Aは
思った。
彼女が印章の開け方など知るはずもないから、無理矢理バッキリと開封したことは、最早云うまでもなく、だろう。
中にはごく普通の、手紙が入っていた。
[拝啓 探偵様
私が貴方に助力を乞うたのは、云うまでもなく事件解決のためにございますが、もう一つ目的があるのでございます。
唐突ですが、探偵様、貴方はもちろん、
探偵小説なるものをご存知でしょう。
殺人事件に舞い上がり、これ見よがしにと、
そう云う訳ではございませんが、しかしせっかくこんな事件が起こってしまったのなら、
まあまあせっかく探偵様をお呼びするなら、
もう一人ほどお呼び申して、いっそ、
推理対決をして頂こう
という次第でございます〕
拝啓から始まっているのに、時候の挨拶が
ない。敬白もない。
どこか小莫迦にしているような、そんな気がする。
Aが少なからず不愉快になったことは、
もちろんのことである。
否!否!
それよりも!
推理対決?一体誰と?
しかし、彼女はなんとなく察した。
アイツだ。アイツでなくて、他に誰がいる。
Aはこの依頼主である、結城とか云う
人間に、絶え間ない憎悪を抱いた。
そろそろ舌打ちが出そうだったが、やっとの
ことで堪える。
手紙を読んでいる最中に、現場に着いた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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丸ノ内マルフォイ - 闇川幽鬼さん» おお!とても丁寧なご説明、ありがとうございます!もう絶対教えてくれる人とかいないだろとか思ってたんで、とてつもなく嬉しいです!これからも更新頑張っていきますので、何卒宜しくお願いします! (2019年9月5日 22時) (レス) id: f3401d0768 (このIDを非表示/違反報告)
闇川幽鬼 - 次に貼り方は貼りたい場所を長押しすると上に「ペースト」という文字が出ます。それを押してコピー完了・・・だと思います。・・・説明下手ですいません。分からない所があれば言って下さい。上手く説明出来るか分かりませんが頑張ります。 (2019年9月4日 23時) (レス) id: 56867ea8da (このIDを非表示/違反報告)
闇川幽鬼 - いつも楽しく見させて貰ってます。URLの貼り方は貼りたい文字を長押しすると青い枠?が出てきます。枠の青い丸を長押しスライドさせて貼りつけたいURLを選択します。上に「コピー」という文字が出ます。それを押してコピー完了! (2019年9月4日 23時) (レス) id: 56867ea8da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:丸ノ内マルフォイ | 作者ホームページ:http://subetenohazimari
作成日時:2019年8月14日 23時