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『さて、と。これからどうすっかな。』


今日の天気はなかなかに素晴らしい。
暑過ぎず涼し過ぎず、雲ひとつない晴天。


あー、気持ちいい。


俺は大きく伸びをしながら、ご機嫌で歩を進める。


『お、あそこのドーナツ屋うまそ〜…。後で食おう。』


『ん?この店雰囲気いいな。雑貨店か。』


キョロキョロと周りの店を物色しながら歩いていると、ふと俺の耳が微かな違和感を伝えた。


『……これは。』


眉がとっさにひそまるのを感じる。街中でまず聞くことのない、だが俺にとっては馴染み深いこの音。


『……銃声?』


聞き間違えるはずがない。俺はこの音を、幾度となく聞き続けてきた。


周りを通り過ぎていく人たちが気づいた様子はない。突然立ち止まった俺を、不審そうな目で見ては歩き去っていく。



ここは米花町。


何もしなくても危険に巻き込まれる町。


自ら事件の匂いを嗅ぎつけていけば、面倒なことになるのは目に見えている。



……が。



『……行くか。』



騒ぐんだ。


ギリギリの命のやり取りを好む、獣の血が。


崖の上で綱渡りをするような、あの興奮を、快楽を、享楽を、思う存分味わいたいと暴れるんだ。



ーーーあぁ、悪い癖だ。



俺はそっと上がった唇に気付かぬまま、その銃声が聞こえたほうへと走り出した。


平和に染まった俺の頭を呼び覚ますのは、いつだってあの破裂音だ。

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あごしわ - 常に周囲を警戒(サバゲー狂特有) 一ミリも隙がない(サバゲー狂特有) 強烈な殺気(サバゲー狂特有) (2020年1月3日 5時) (レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
NIL(プロフ) - 白桜さん» 続編移行、初めての時はよく分からないですよね。とても面白いと感じる作品なので、これからも頑張って下さい (2019年7月8日 0時) (レス) id: 6ea316f6e9 (このIDを非表示/違反報告)
白桜(プロフ) - 続編登録いたしました、申し訳ありません。やり方がよく分からず……。拙い作品を読んでくださりありがとうございます。機械には若干相入れなさを感じます……。 (2019年7月8日 0時) (レス) id: 33d5312230 (このIDを非表示/違反報告)
NIL(プロフ) - 続編が登録されていないのか、2に移動できません。いつも楽しませてもらってます。更新頑張って下さい (2019年7月7日 23時) (レス) id: 6ea316f6e9 (このIDを非表示/違反報告)
山姥拓海(プロフ) - 早く続きが見たいですね!更新頑張ってください (2019年7月6日 21時) (レス) id: e2c2af4155 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白桜 | 作成日時:2019年5月21日 19時

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