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翔吾side

「陸さんが座長だから1番悔しいとか、年下の慎君が泣いてるから自分がしっかりしなきゃとか
押さえ込みすぎて癖になってるんじゃない?
あそこにいる人達全員が悔しがったり、悲しいと思う権利があるの
座長だからとか、年下だからなんて関係ない
こういう時ぐらい素直な感情を吐き出さないとダメだよ」







昔から我慢は得意な方だった
好きなことのためなら勉強だって頑張れたし、皆がいてくれたから武者修行も合宿も乗り越えられた







だから今回も大丈夫だと





仕方がないから我慢するしかないと無意識に抑え込んでいた






それでも


「初めての舞台で殺陣を必死に覚えて、長い台詞や細かい表情も意識して
沢山怒られたけど諦めないで頑張る皆は凄くかっこよかった
稽古を見てるだけの私が悔しいのに翔君が悔しくないわけない」




この人には全てを見透かされていた
自分自身が無意識に隠していた感情でさえも気付かされる






これまで頑張ってきた日が走馬灯のように駆け巡り、その瞬間に
自分の中で何かが弾けた






翔「なんでっ、なんでこんな事になったんやって、今頃皆でお客さんの前で舞台してるはずなんにふざけんなって思いました」

「うん」

翔「誰も悪くないから、それが余計に歯痒くて....!
どう頑張ってもどうしようもないから悔しくてっ、」

「そうだね」

「陸さんやまこっちゃんに樹、陣さんと昂秀も
皆で絶対成功させようって、約束したんに
全部っ、台無しになったみたいでっ、」

「そんな事ないよ
今まで頑張ってきたことはきっとこれからに繋がる
努力も、経験も、台無しになんてならないし私達がさせない
約束する
絶対にいつか公演を実現させてみるって」

翔「Aさん....」

フワリと柔軟剤の香りがする
Aさんに優しく抱きしめられ、あやす様に背中を摩る

「大丈夫、大丈夫だから」

その言葉が魔法のように聞こえて不意に涙が流れる

翔「俺、Aさんに守られてばっかで情けないですね」

「皆を守るのが私の仕事だもん」

翔「ははっ、かっこよすぎますって」

「だからさ、全部吐き出していいよ
私も暗くて見えないから」

翔「っ、」

声を出して泣くなんていつぶりだろうか



















その声は波の音に掻き消され、Aさんはその間も俺を抱きしめたまま離さなかった

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作者名:あすか | 作成日時:2022年11月28日 22時

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