私を見てほしい。【番外編】

再び地を歩く9 ページ10

中也side

港が見える丘公園 展望台


今一緒にいるのは、俺、太宰、織田、めぐみの4人

めぐみはもちろん車いすで

ワンピースの裾から見える足の青あざが痛々しい

足が動かないと分かってからもいつも笑顔でいためぐみ

逆にこっちが励まされたもんだ
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
でも昨夜、俺と太宰は食事に誘おうと彼奴の部屋に訪れた時、聞いてしまった

　
　
　
“どうして...っ！どうして動かないの...っ！！ねぇ、どうしてよぉぉ...。”
　



そっとドアを開けると、そこには俺らに背を向けて崩れ落ちるように床に座り込むめぐみ

その背中は震えていた
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
今まで弱音を吐かなかった彼奴が初めて涙を流す姿がそこにあった
　
　
　
彼奴は1人で苦しんでたんだ＿＿＿＿＿

　
＿＿＿＿＿＿


“ちょっと出掛けようか、いい考えがあるんだ”


今朝、太宰は俺らにこう告げた

そして、ここはめぐみが太宰によく連れて行ってもらったところらしい
　
　

　
　
　
いや、記憶喪失じゃねェんだからよォ...←
　
　
　
　
　
太宰が展望台の柵に腰掛ける

今日は風が少し強い


そんな太宰をそこから少し離れたところで俺らは見ていた

めぐみを見るとぽかんとしている

無駄か、と思いながら太宰に視線を戻すと
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
太宰が突風にあおられた

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