大嫌いって言わないで

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比与太「Aちゃん、彼氏はぁ？」

「いな〜い」

比与太「どのくらい？」

「ん〜、２年くらい」

比与太「なんで？」

「なんでって(笑)良いなぁ〜って思った人には大抵、彼女が居るもんっ」

比与太「・・・・・・俺はいないよ？彼女」

「あははっ(笑)比与太に彼女がいてもいなくても関係ないじゃん！」

比与太「ん〜・・・。

あっ！Aちゃんの好きなタイプって？」

「真面目で誠実な人。クソ真面目って言うんじゃなくて〜、自分と周りの人たちに真面目で誠実だと

凄く素敵だと思うの」

比与太「ふぅ〜ん。。。誠実かぁ〜」

「大丈夫。比与太とは正反対の人間だから〜(笑)」

比与太「なんだよそれっ！！俺も真面目で誠実だよーっ！」

「あははっ！(笑)ウソばっか〜」

比与太「Aちゃん ひどーいっ！」

「あっはっは(笑)」



なにやら良い雰囲気なんじゃなくて？


駅に着き、家が反対の比与太に送らなくても良いと言っているのに

強引に『送る』と言い張る比与太と、同じ電車に乗り込んだあなた


電車は混んでいて、ぎゅうぎゅうなまででした


比与太「大丈夫？Aちゃん」

「朝のラッシュで慣れてるから大丈夫」


ぎゅうぎゅうな車内で、比与太とあなたの距離は嫌でも近い

そして


キキキ―――ッ！


電車が駅に着く時にかかるブレーキの度に

ぐらぐらと足元がふらつくあなた


「あっ！」

比与太「おっとっ！」


倒れそうになったあなたを比与太は慌てて引き寄せます


比与太「危ないから掴まってて」

「やだぁ〜」

比与太「なんでっ！危ないでしょっ！」


キィー。。。


再び動き出す電車で、またもふらつくあなたを

比与太は強引に腕を回して抱きしめる様な体制にしました


「ちょっとっ！離してってっ！」

比与太「危ないんだからぁ！じっとしててっ！」

「むっ！！」


背の高い比与太は、高い場所の吊り革に掴まり

片手であなたをガッチリと守っています


満員電車の中、あなたは体を動かすことも出来ずに

不本意ながら、比与太の腕の中で大人しくしていました


「(比与太って良い匂いだなぁ〜)」


近すぎる比与太の腕の中で、比与太の香りに気付いたあなた

ふと顔を上げると、すぐそこにある比与太の顎のラインが目に入りました


「(顎のラインがシャープだなぁ〜。。。お鼻の穴も綺麗な形)」


あなたが比与太をほんのちょっと男として意識した瞬間でした。

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