大嫌いって言わないで５

お仕事頑張る編１ ページ19

比与太『ねぇーねぇー？俺、本気だよ？』

｢んー。んー。わかったわかった｣

その日の夜中

もうベッドに入りウトウトとしていたAさんに電話をかけてきた比与太


会いたくて 会いたくてたまらない比与太と

眠たくて眠たくてたまらないAさん。


比与太が『一緒に住みたい』と提案すれば

Aさんは『あい、あい』と空返事。

もうほぼ白目でかろうじて起きている感じです。


比与太『ちょっと俺、これからこんな感じで忙しくなると思うんだよね』

｢そうか、そうか｣

比与太『でも、Aちゃんにずっと会えないのは悲しいし』

｢そうか、そうか｣

比与太『うち広いから、一緒に住めると思うんだよね』

｢そうか、そ……ﾌｶﾞｯ｣

比与太『だからさ……近いうちに、やっぱりAちゃんのご両親に挨拶したい！

同棲の許可ももらいたいし。結婚を前提にした。』

｢そうか……そうか……ﾌｸﾞｯ…………ｯｸﾞｰｰｰｰｰｳ｣

比与太『あれ？Aちゃん？』


その後聞こえてきたのはAさんのすやすや眠る吐息で

比与太は苦笑いしながらも、そんなAさんを今日も愛おしく感じるのでした。



そして翌日


朝から忙しく仕事を進める比与太

引き継ぎをしてくれる先輩は、もう転勤まで残すところ数日です。


現担当｢……これで全部。｣

比与太｢分かりましたっ！｣

現担｢多分比与太はもう大丈夫だと思うけど、何かあったらいつでも連絡して？｣

比与太｢はいっ！あざーっす！俺っ！頑張りますからっ！

先輩が大事にしてきた取引先との絆ですからね！｣

現担｢サンキューな。よろしく頼むよ｣


比与太の良さは、裏表がなくて諦めてへこたれないところ。

見た目とは違い、真面目に仕事をする比与太


そんな彼を、先輩も一役かっています。


そしてそれは、比与太が尊敬する職場の先輩

Aさんのお兄さんをお手本にしているのでした。


兄｢比与太ー？あんまり頑張りすぎるなよ？｣

比与太｢あざーっす！でも頑張りますよ！早く駆先輩みたいになりたいっすから！｣

兄｢は？なれんだろ？直ぐに(笑)｣

比与太｢まだまだです！

あ！ところで、先輩？｣

兄｢ん？｣

比与太｢先輩のご両親て、どんなかたですか？｣


仕事を頑張る為に、Aさんとの未来を近いものにしたい比与太


"『彼女の両親に挨拶に行く』"ということが初めてのことで

その事を考えると夜も眠れない程でした。

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