大嫌いって言わないで３ (ページ35)

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｢ふんっ！｣

ぽぅーっとなった比与太からアルバムを奪い取ると

比与太を探し始めたAさん

そしてそれは直ぐに見つかりました。

｢あ。これだろ。チャラいから直ぐ分かった｣

そうです。

チャラさの極み。

″はべらかし王子″の名に恥じないその写真の姿に

Aさんは少し引き気味です。

｢なんだろ・・・今よりチャラいな｣

比与太｢っは！えぇっ！！｣

魂が帰ってきた比与太は

Aさんの呟きに直ぐに我に返りました。

どんどんアルバムのページをめくっていくと

そこにはやんちゃな比与太も垣間見え

それはなんとなくAさんのお兄さんと似た匂いがしていました。

｢兄貴と同じ匂いがする｣

比与太｢えぇっ！？｣

｢いや、兄貴のが硬派だったけど｣

比与太｢っ！？Aちゃん・・・？｣

｢比与太もそうか？｣

目を細めて睨むように比与太を見つめるAさん

せっかく昨日から恋人になったのに、これでフラれてしまったら！と

どんどん冷や汗が出て来ます。

｢お母さん泣かせてたんかぁ！？｣

比与太｢う、ううん！泣かせてないっ！お母さんは泣かせてないっ！｣

ブンブンと首を横に振る比与太

｢じゃあ誰泣かせてた？あん？｣

Aさんの問いかけに、比与太は恐る恐る答えました。

比与太｢・・・他校の・・・悪い人たち・・・｣

実際問題、比与太は平原家の長男として家のことは良くやっていました。

女の子ははべらかしていましたが、そんなに悪いことはしなかった。

強いて言えば、喧嘩くらい。

当時は負けナシでした。

｢女の子は泣かせてなかったんか？あ？｣

比与太｢泣かせ・・・たことも・・・あったかもしれません・・・スミマセンッ！｣

｢もうしないかっ！｣

比与太｢もうしませんっ！これからの人生Aちゃん一筋ですっ！｣

血走った目で本気で答える比与太

その様子を見て、Aさんは『まぁ良いか』と比与太で遊ぶのをやめました。

｢約束破ったら兄貴に言うからな～？｣

比与太｢押すっ！｣

『っぷ！ｸｸｸｸｸｯ！！』

比与太とAさんのいつものアホなやり取りのあと

どこからか笑い声が聞こえてきました

Aさんはその声の方に顔を向けると

部屋のドアが少し開いた隙間から、風太が笑っている姿が見えました。

｢あ！風太君だ｣

風太｢っ！？｣

比与太｢えぇっ！？｣

Aさんに見つかってしまった事で固まってしまった風太

比与太は″えらいもん見られた″と、また違う汗吹き出す。。。