大嫌いって言わないで３ (ページ26)

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比与太｢へっ？？どゆこと？？｣

Aさんの言葉に、頭の上にいくつものハテナマークが浮かぶ比与太

その意味をAさんは説明し始めました。

｢比与太は多分、元々神経質で几帳面なんだと思うの｣

比与太｢あぁ・・・うん｣

｢私はがさつな方だし｣

比与太｢そんなことないよっ！｣

｢比与太が『あれ？』って感じることがこの先先沢山出てくると思うわけ｣

比与太｢そんなことないと思うけど……｣

｢でも、比与太はうちの兄貴まで巻き込んで私を口説いてたわけだから

そんなに簡単に『やっぱ別れます』とは言いにくいと思うのよ｣

比与太｢えっ・・・？｣

｢でもそんなの気にしないで、なんか違うと思ったら直ぐに私に言ってって事。

分かった？｣

AさんはAさんなりの考えがあってのことだと思います。

しかしながら、それを聞いた比与太はやはり腑に落ちない。

まるで付き合うのは別れることを前提としているように、比与太にはとれました。

比与太｢Aちゃん。

いい？良く聞いてね｣

｢ん？｣

比与太はソファの下のラグの上に、Aさんと向かい合う形で座りました。

比与太｢俺は、今までAちゃんと一緒に居て

Aちゃんの上っ面だけを見てきたわけじゃない｣

｢・・うん｣

比与太｢Aちゃんはいつもストレートに物事を言うけれど

そこにはちゃんとAちゃんの本当の気持ちがある。

Aちゃんが何を考えて何を俺に伝えようとしているのか

いつもそれを真っ直ぐに伝えてくれる。

だから踏まれたって蹴られたって俺はAちゃんを好きでいられたの｣

｢うん｣

比与太｢『なんか違う』って思うなら、もうとっくにAちゃんを諦めてるよ｣

｢比与太・・・｣

比与太｢Aちゃんは俺より年下だけど、沢山の大切なことを教えてくれた。

バカな俺にもスゲー分かりやすく｣

｢・・うん｣

比与太｢毎日思うよ。Aちゃんが好きだなって。

Aちゃんに『やっぱコイツダメだな』って思われないように

俺、ちゃんと生きていくからさ。

だから・・・｣

それまで神妙に話していた比与太は

Aさんを抱きしめました。

比与太｢こんな俺だけど・・・末永く宜しくお願いします｣

そう言ってぎゅうっとAさんを抱きしめる腕に力話を込めた比与太

｢うん。・・・よろしく、比与太｣

Aさんも、比与太の言葉に安心したように

その両手を比与太の背中に回したのでした。