大嫌いって言わないで２

・・・３２ ページ32

「・・あんたがそばにいて欲しいって思わなくても

女の子達は、あんたにそばにいて欲しかったんじゃない？
だからあんたと寝たわけでしょ？」

比与太「・・・。」

「私にはよか分からないけどさぁ。一晩だけの関係とか。

あんたがそれで良いと思ってやってたことでも

本当は何もあんたを満たしてはくれなかったって事
あんたも分かってたんじゃない？」

比与太「っ・・・」


比与太は辛そうに目をぎゅっと瞑りました

どうやらあなたの言葉がグサグサ刺さっているみたいですね。


「ずっとそばにいて欲しいって思わなかったのは

相手から求められるだけだったからでしょ？

あんたから求めたんじゃなくて。求められるがまま。

それじゃ、何もあんたは満たされないわよ。

相手の女の人にも失礼。

私だったら、あんたみたいな男と関わるのも嫌だけど。」

比与太「Aちゃん……」

「自分を真剣に愛してくれない男なんて

一瞬でも好きになんてならない。

もし好きになった人がそんな男だったら
なんの迷いもなく別れるわ。

いくら顔が良くたって、背が高くたって
お金持ちだって

愛のない人間にはなんの魅力もない。

ゴミ以下よ。」

比与太「っ・・・」



比与太…ゴミ以下だってさ。


さぁ、どうする？


比与太「Aちゃん…。

これまでの俺はゴミ以下だったけど・・・

今は本気で……Aちゃんのことが好きだよ。

大事にしたいし、傷つけたくない。

本当に、心から。」

「ﾓｸﾞﾓｸﾞﾓｸﾞ……」

比与太「Aちゃんには、ずっとそばにいて欲しい。

今日も・・・帰って欲しくない。」

「ﾓｸﾞﾓｸﾞﾓｸﾞ……」

比与太「Aちゃんが俺を信用してくれないのは、俺のせいだから……

だから、これから信用してもらえる男になるから……

どんなに悪口言っても良いから、嫌いにならないで…。

お願いします。」


比与太は深く頭を下げました。

そして、比与太の頬に涙が零れていきます。

肩を震わせ、必死にあなたにお願いする比与太を見て

あなたは思いました。


”『捨てられた犬みたいだな』”
↑
おいおい。


”『本当に……コイツは本気なのかな。ほんの少し信じても良いのかな』”



あなたの気持ちが、耳かきひとさじ分くらい変化をしたのかもしれませんね。



「……約束。忘れてないでしょうね！」

比与太「えっ？」


突然のあなたの言葉に、比与太は涙でぬれた顔をあなたに向けました。

「あんたの風邪が治ったら高級焼き肉おごりだからね！」

・・・３３→←・・・３１

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す