大嫌いって言わないで２

報告編 ページ44

｢・・・どうしよ、兄ｷｨ・・・｣


比与太の実家に行き、あの『平原ルミ』にまで気に入られたAさん。


何だか上手い具合に周りから固められている感が否めません。


兄｢良いじゃん。料理美味かったんだろ？｣

｢そりゃあ、とても｣

兄｢レストランの招待券ももらったんだろ？｣

｢うん。兄キの分まで｣

兄｢シャーッ！！｣

｢普通に喜んでんなぁ｣


お兄さんに報告にやって来た月曜日


会社帰りにそのままお兄さんのマンションに向かうと

もれなく付いてくるオマケも居ます。



比与太｢今度4人で行きましょう！先輩！｣

｢なんであんたまでここに居んのよ｣

比与太｢だってうちこっち方面だし♪｣

｢じゃあ真っ直ぐ自宅に帰れ｣

比与太｢Aちゃんをまた先輩の家から送っていかなくちゃならないから帰れないよ〜｣

｢頼んでないわ！｣

比与太｢夜道は危ないんだからぁ！｣

｢兄キに車で送ってもらうからいいのっ！｣

兄｢じゃあガソリン代お願い｣

｢えぇっ！！この幼気な妹からガソリン代とるわけ！？｣

兄｢どこが幼気だよ……。｣


いつものようにお兄さんを頼りに行けば

やっぱり今回は何も助けてくれないAさんのお兄さん


ブゥ！っとふくれっ面のあなたに、お兄さんは言いました。


兄「A？取り敢えず比与太と付き合ってみれば？」

｢はあっ！？｣

比与太｢おっ…おにいさまぁ！！｣

兄｢ダメなら別れりゃ良いじゃん｣

｢なんでよっ！？なんでそんな事言うのよっ！｣

比与太｢ぼっ！僕はわかれましぇん！！｣

兄｢付き合ってみないと分かんないこともいっぱいあんじゃん。

″やっぱダメだな〜″って思ったらわかれりゃ良いんだし。

まだAは若いんだから。いっぱい恋愛すれば良いんじゃね？｣

比与太｢うんうん！お兄様に賛成ッ！

別れないけど。｣

｢っ……。今まではそんなこと言わなかったじゃない……。

なんで今回はそんなに冷たいのよ・・・ｸﾞｽﾝｯ｣


あ、泣かないで〜Aさん！


兄｢ふぅ〜。だって

コイツ、マジじゃん。｣

比与太｢っ……先輩……｣

兄｢あんなに遊んでたのに、今は少しも遊ばなくなって。

雨の日も風の日もAに会いに行ってさ
会社から家までの短い時間の為に。

Aを実家に連れて行って親にも会わせて

″結婚を考えている人″ってAのこと親に紹介したんだろ？


誠実じゃん。比与太｣

｢誠実……｣


お兄さんの言葉が、あなたの心に変化をもたらした・・・かも？

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