Episode 13-5 ページ34
六道 骸 side
時が来た…彼女が待ち望んだ久方ぶりの妹との対面。それでもやはり別次元から精神を繋げるには都合良くいかないもの。
彼女の精神が此方に来るまで代わりに僕が彼女の言葉を伝える。
僕の精神世界の中とはいえ、注意は怠らない。
察せられないように一言一句(名前)の言葉を妹へと告げる。
初めて言葉にされる彼女の過去。
白雪姉妹の過去。
彼女の顔は見えない、ただ彼女の意志を汲み取り伝えて彼女のフリをする。
言いたい放題言ってくれる白雪羅那にじわじわと腸が煮えくり返える。
挫折を知らない?
何もかも手に入れている?
恵まれているだと?
よくもまぁ…そんな事が言えたことだ。
彼女はずっと苦労してきた。
家族から逃げ延びても、世界は彼女と白雪家を引き剥がすことはしてはくれなかった。
故に貴女との衝突が続いた。
彼女の心配も苦労も苦痛も悼みも知らないくせに堂々と言えたことだ。
魔の手から逃げ延びたにも関わらず貴女と相対してしまったことを彼女は酷く哀しんでいた。
戦いたくないのだと、「私もあの子もやっと見つけた居場所だったのにね…。」 と唇を噛み締めて泣くことさえも許されず戦うことを強要されて。
彼女の心を踏み躙る事ばかりを口に知る妹に無性に腹が立った。
なのに貴女は「きっと私とラナは相対する運命なのよ。」とやはり苦しそうに呟くだけ。
「……どうやらここまでのようですね。
では最後に、貴女は随分と奪った何だと口にしていましたが…手放されたのでは無く、手放したの間違いではないのですか?」
「…………何ですって?」
「例外とは何にでも付き物です。
凪同様にメカニックチームや元アルコバレーノ等。
守護者で無くともファミリーの一員だ。
守護者で在らなければならない要因は無い。
沢田綱吉という男は守護者贔屓するような存在では無いでしょう?」
いつだって彼は仲間の為と手を伸ばしてきた。
そう、例外無く……こんな僕にもね?
守護者だとか守護者じゃなくなったとかそんな事彼は気にしない。
「故に手を払ったのは彼等でも(名前)でもなく貴女自身なのですよ。」
貴女だけが守護者という地位に執着した。
彼等はいつも(名前)の陰と貴女の陰を重ねていた。
それほどまでに大事されていたのにも関わらず振り払ったのは……貴女の方だった。
「＿＿＿＿最後まで分かり合えなかった事、後悔しないように。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 415人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こころ - 作者さんの全部読んでます!!毎回面白い作品で大好きです!!!便乗でコメントさせてもらうと、基本的に落ちなし感あるｗ他作品も恋愛感あるけど落ちなしとか、最初から決まってたりで…。あとそこまで泥沼展開っていうか恋愛系少ない人だから落ちとかなさそうｗ (2020年9月18日 9時) (
レス) id: 3ef1b144c8 (このIDを非表示/違反報告)
妄想勢�� - 落ち想像は分かる↓基本的にヒロアカの世界観で進んでるからたまに出るリボーン組にいつ悶える(真顔)雲雀さんは敬愛でザンザスも尊敬系で骸は普通に友達感で落ちなし?ってなるけど、轟君とかかっちゃんも良いけどイレイザーヘッド落ちが今んとこなってほしい!! (2020年9月18日 9時) (レス) id: 3ef1b144c8 (このIDを非表示/違反報告)
セコム - 色んな落ち想像するｗ骸が今んとこ一番有力なのに夢主とのすれ違いがじれったい!!骸は多分loveだけど夢主はlikeだよね…多分。だからくっつきはしないんだろうなぁってなるけど、信頼感が上がって行くのは骸の特権だから許せる← (2020年9月18日 9時) (レス) id: 3ef1b144c8 (このIDを非表示/違反報告)
奇麗 - この回は最初から最後まで展開が好きですｗ轟君の夢主ちゃんに対しての思いとか、夢主ちゃんの心の進展とか!! (2020年9月18日 9時) (レス) id: 3ef1b144c8 (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - わぁ、的確… (2020年5月5日 13時) (レス) id: a86d5a1323 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：唄詠 | 作成日時：2020年4月1日 19時
