第四十八話 ページ3
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『………みやびちゃん、心配なの?』
「えっ?あ、はい、まあ…」
歯切れ悪く答えた彼女に、私は少し悩んでから口を開く。
『んー、そっか。じゃあ私も泊まっていくよ』
「え!?何故ですか!?」
『だってみやびちゃん、二人のこと心配なんでしょ?だから私が代わりに見張ってあげる』
「でもAさんは…」
『大丈夫大丈夫!!私の家、帰っても誰もいないから寂しいんだ』
『ね?』と彼女に笑いかければ、まだ不服そうだったけどなんとか私の意見に納得してくれたようだ。
『それじゃ、何かあったらすぐに言うから!じゃ』
「あっ!待ってください。私、まだ聞きたいことがあって」
不安げに私を見つめる彼女と別れを告げようとすると、腕を掴まれて引き止められる。
『ん?どうしたの?』
「あの……Aさんって、家康くんとお知り合いだったりするのですか?」
『へっ!?徳川くん?』
唐突な徳川くんに私は素っ頓狂な声を上げる。
『な、なんで?私、徳川くんとは特別関わってないんだけど…』
そう、私は徳川くんに恐れを生して結構避けているのである。
しかもさっきもいつの間にか徳川くん回避が出来てたみたいだし。
みやびちゃんを見ると、彼女はずっと思い悩んだ表情をしたあと、慌てて私を見て作り笑いを浮かべた。
「えっとその………い、今のことは忘れて下さい!!それでは二人のことは任せましたので!また明日!」
『えっ!?ちょ、みやびちゃん!?』
走って帰ってしまった彼女に追いつけずに立ち尽くす私。
………今のみやびちゃんの言葉、どういうことだったんだろう。
私と徳川くんが知り合い?……いやいや、私達はこの高校で初めて会った。
てか第一、あんな強面の人と一度会ってたら絶対に忘れないと思うし。
うーん、でも何で今このタイミングで?もしかして私が寝てる間に何かあった……とか?
まあいっか。それはまた今度詳しく聞くとして、まずは図書室に行かなきゃ。
『ふぅ……私の仕事はみやびちゃんの代わりに二人を見張ること…』
さ、みやびちゃんの為に頑張るぞ!!
私は意気込む為に自分の両頬をペチン!と叩いて、図書室へと歩き出した。
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moka(プロフ) - a-yaさん» 何と嬉しいお言葉...!!私なんかの作品を何回も読み直して頂けてるなんて凄く嬉しいです🥹✨️相変わらずのゆっくり更新ではありますが少しずつ話を進めていきますので暇つぶしにでも読んで頂けたら嬉しいです🥰 (11月20日 21時) (レス) id: 29521248bc (このIDを非表示/違反報告)
a-ya(プロフ) - この作品めちゃくちゃ面白いです!何回読み直しても楽しめます❤️これからも応援しています! (10月15日 16時) (レス) id: 672b289667 (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - さらさん» わー😭💓いつもドキドキしながら更新してるので面白いと言って下さって物凄く嬉しいです…!これからもさら様をキュンキュンさせられるよう頑張りますね🥰それに2回もコメントありがとうございます!気持ちだけでもとても嬉しいです✨ (2022年10月3日 18時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
さら - ホントにいつもたくさんの更新ありがとうございます!!番外編も凄く面白かったです!!榊原くんも格好よかった!!上杉くんにもキュンキュン来てます!!私も星いっぱい押したいくらいです!!でも1つしか送れない!!気持ちはたくさんです!! (2022年10月3日 9時) (レス) @page23 id: f9b4a84be1 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - mokaさん» 届いていたみたいで安心しました🥺 私なんかの小説で清正くん好きが増えているなんて……! 感激です😭 本当に本当に、ありがとうございます! 清正くん出てきたらいいね200回くらい押しますね🥰 (2022年10月2日 22時) (レス) @page23 id: bd8f0e2e75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:moka | 作成日時:2022年9月28日 13時