▼ ページ4
「うっわー…腕の痕くっきり。やっぱシャオちゃん縛り上げようぜ」
「ホンマそれな」
『血の海になるのは勘弁してね』
ひとらんとオスマンは私のシャツを少し捲り上げると湿布を次々に貼り付けていく。
物騒な話をしているが以前彼らは喧嘩という名の内ゲバをした際に物を壊すやら部屋は汚すやら怪我人が続出するなど、兎に角否定しなければ本当に実行してしまうのが彼らなのだ。
どうにか話題転換しなければシャオロンが亡き者になる、と頭をフル回転させているとすん、と鼻を鳴らしたのが横から聞こえた。
「…湿布の匂い、ですかね？」
『あ、エーミール。ただいま』
「はい、おかえりなさい」
エーミールはふわっと笑って、気になってしまうのか、捲り上げた私のシャツを戻してから隣に座った。
お腹丸見えだったね、ありがとう、と紳士な彼にお礼を言うとこれまた柔らかく笑ってなんでもないように振舞われる。
「ところでどこが怪我でも？」
『あー、や、まぁ…色々あって…』
「え？…あ、ナルホド…」
「怪我」というワードに過剰に反応したひとらんとオスマンになんとなく察してくれて話題転換を図ってくれた。
すっかり話す内容は難しくなっててただ相槌を打つことしか出来なくなっていた私に背後から首に手を回される。
「エーミールおもんない話すんなよ」
『ゾム？』
「チッス」
私の頭に顎を置いてエーミールを流れ作業のように小馬鹿にしたのはゾム。
末っ子気質感が抜けず、度々困らせては懲りずにイタズラを続けるのだが、スキンシップが激しく、今も現在進行形で髪の毛をくるくると自身の指に巻いたり好き勝手している。
それに便乗したのか、ひとらんやオスマンも私の髪の毛に手を伸ばして三つ編みにしたり、指で梳いたりして遊ぶが、エーミールは一向に手を出さずに見ているだけ。
「ほんっっま、エーミール、だからお前頭も話も滑りがええねん」
「滑る言うなよぉ！」
『…ゾム、程々にね？』
「わかっとるわかっとる」
本当にわかっているのか、髪の毛から手を離したと思ったら首裏に柔らかいのが当たってあわてて押さえるとニヤニヤした歯が覗いていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1557人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きつね君。(プロフ) - かなり前に完結してしまったようですが、改めてこのようなまぢ神作品を世に送り出してくれておりがとうございます！！！完結おめでとうございました(？？) (2023年4月14日 0時) (
レス) id: f4cd021470 (このIDを非表示/違反報告)
きつね君。(プロフ) - ヤンデレってたりヘラってる子達が性癖だったので、このような作品に出会えてうれしいの極みです！R指定作品を読んだのはこの作品が初めてなのですが、もう表現力も高すぎるし設定がまず神だったのでひとりでニヤニヤしてました() (2023年4月14日 0時) (レス) @page33 id: f4cd021470 (このIDを非表示/違反報告)
りこち(プロフ) - 色々とどストライクでした！ご馳走様です！！可哀想可愛いは正義！！！！ (2021年2月28日 15時) (レス) id: 7094782543 (このIDを非表示/違反報告)
青年A(プロフ) - マイソさん» ありがとうございます、どうぞどうぞこれからもうはうはしてください（笑）何気なくつくった作品をそう言って頂けて大変嬉しいです！ (2021年1月3日 15時) (レス) id: 071d1f2325 (このIDを非表示/違反報告)
マイソ - す！ (2021年1月3日 14時) (レス) id: 05f946baf6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
