ここはロマンス大通り【ars】 (ページ38)

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電話を切って、相葉くんは何だか満足げ。

「翔くんは相変わらずだねー」

私達の食べ終わった器を洗いながら、智さんが笑う。

「相変わらず、格好良いよね！翔ちゃんって」

相葉くんが言ったら、「A、同意すんなよ？」ってすぐに牽制された。
怖い怖い。

「じゃ、俺は店行くね！」

三十四を出た所で、相葉くんは「カズ、ハピ！」って投げキスして桜の方へ歩いてった。

「...今の投げキス、熨斗をつけてお返ししたい...」
「フフッ、相葉くん可愛かったから貰っとけば良いんだよ」
「可愛くねぇわ！愛せない」

うえぇ...って顔して、二宮くんが歩き出す。
ドゥパレに帰る道。
歩き慣れた道。

マンションに着いてエントランスに入ると、そこに1人の男性が居た。
オートロックのパネルの前に立ってる。

首を傾げた彼が振り返って、私達を見て「あっ！」って口を大きく開けて笑った。

「カズ、家にいなかったから出直そうかと思ってた」
「潤くん、非番なの？」
「非番だから私服なんだけど」

制服を脱いだポリ潤の麗しい事、麗しい事...
思わず見とれる。

「誕生日だろ？これ、Aちゃんと飲んでよ」

潤さんが差し出したのは、なんだかオシャレなシャンパン。

「ありがと、潤くん！」

あら。
潤さんには素直。
前から潤さんにだけは素直。

「おめでと。じゃ、俺行くわ」
「え？もう？うち、寄ってかないの？」
「ごめんな、この後予定があって」
「あ！デート？」
「内緒ー」

内緒！？
唇の前に立てた人差し指が、格好よすぎやしませんか！？

「Aちゃん、お邪魔してごめんね？」
「お邪魔だなんて、全然！目の保養です！」
「アハハッ！何言ってんの」

仰け反るようにしてわらった潤さんが、二宮くんの頭にポンッと掌を乗せた。

「またね」
「うん、バイバイ」

潤さんがエントランスを出て行き、颯爽と歩き去る。
その後姿を見送りながら

「本当にデートかな？」
「彼女、居たんだね」
「何で残念そうなんだよ」
「残念でしょ、ポリ潤はロマドーのアイドルなのに」
「ロマドーのアイドルはオレでしょ」

なんて馬鹿な話をして、私達はオートロックをくぐりマンションの中に入った。

「二宮くん」
「んー？」
「ディナーは何が食べたい？」
「フレンチ」
「うそ！？」
「うそ」

エレベーターの中で、夜ご飯の話。

「Aの作ったハンバーグ食べたい」

それも想定内。
もう材料も家にある。