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「無理？どうして」
「どうしてって...身の丈に合わない」
「合わない訳無いでしょ」
「いやいや、合わないって！そもそも合ってないけど有難い事に住まわせて貰ってたんだから！」
何だか悲しそうな顔で眉毛を下げてる二宮くんに、必死で説明。
自分がお金無い事を説明。
お坊ちゃまに説明。
「何の話？」
「何の話って...ドゥパレには住めないって話だけど...」
「.....ここには住めない？」
「だから住めないって.....え？」
私の隣に座ってる二宮くんが、ガクンと項垂れた。
何故キミが落ち込むか。
「二宮くん？」
「結構ドキドキしたのに...」
「え？何が...」
「断られる想定もしてたはずなんだけど、やっぱりショック...」
「あ...いや、そりゃ私も住みたいけど無い袖は振れないってゆーか...」
ん？って顔で彼が顔を上げた。
「無い袖？」
「うん。私もお金があればここに住みたいよ？でも...」
「金なんか要らねぇよ」
「...ちょっとよく分からない」
唇をツンと尖らせて、「バーカ」って呟いた二宮くんが
「この部屋でオレと一緒に住めば良いでしょ！って事だろうが！」
やっぱり耳を真っ赤にしながら、ぶっきらぼうに言った。
「...えぇっ！？ここでっ！？一緒...にっ！？」
「家賃も要らねぇし、引越しもラクでしょうが」
「そ...うだけど...え？」
「イヤなの？どうなの？」
「そんな...」
イヤな訳無い！
ありがたいっ！
...ううん、ありがたいって気持ち以上に...
「すっごい、嬉しい...」
二宮くんの服の袖をギュッと握る。
「...オレと暮らすのね？」
「...暮らします」
「家事、やってくれる？」
「...させて頂きます」
ンフ、って笑った彼が「やったー」って小さな声で呟いた。
「良かったね、Aはまたタダでこのマンションに住めるんだよ？」
「恵まれてる...こんなに恵まれ過ぎてるって事はすぐ死んじゃうんだと思う、私」
私の割と真剣なその言葉に、彼はケラケラ笑う。
「あ、けど二宮くんは一人前になったら実家に帰るんじゃ...」
「あー...まぁ、もしそうなってもAはここに住んでて良いよ。どっちにしてもうちの持ち物だし」
私の顔を見て口角がどんどん上がっていく二宮くん。
「いつまでも一人前にになれなかったら、Aのせいね」
「...そんなの許しません」
「ンフフ、じゃあ頑張る」
二宮くんが勢いよく抱き着いて来て、ふわっとミックスジュースの香りがした。
・・・・・END・・・・・
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作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2016年3月16日 18時
