ここはロマンス大通り【ars】 (ページ18)

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ねぇ、ひとつだけ隠してる事があるんだ。

『男女の友情』はあるって、それは思った訳だし実際俺とAちゃんの間にあるのは『友情』だと思う。

だけど、ほんの少しだけ普通の『友達』とは違う感情もあるんだ。

ニノからAちゃんを好きになったって話を聞いた時は、ニノなら絶対にAちゃんを幸せにしてくれる！って思った。

俺の大切に想う二人が恋人同士になったら、俺も嬉しい！って。
本気でそう思ったよ？

だけどさ、本当に付き合ったって聞いた時はちょっと変な気分になったのも本音。

あ、Aちゃん取られた...って。

おかしいよね？
自分でもおかしいなと思った。

でも、やっぱAちゃんと付き合いたいとかそーゆーんじゃ無いの。
すっごく大好きな『友達』だってのは変わらないんだけど。

ニノとケンカしたら、俺んとこおいで！って思う。
俺がニノを怒ってやるから！って。

何か辛い事があったら、何時でも良いから俺に電話しておいで！って思う。
俺が笑顔にしてあげるから！って。

ただ、かなり嫉妬深いニノに色々と勘繰られるのは面倒。
何か、それは違う。

素直にニノと幸せになってね、って思うんだよ？
それは本音で。

俺はね、Aちゃんが笑っててくれるならそれで良いんだと思う。

だから、Aちゃんの笑顔を奪うような事があったらそれが親友のニノでも絶対に許さない！って思う。
あんまりニノ色に染まらないでね？とか、ちょっと思ってたりもする。

あ、こんなのニノにバレたらボコられそうだよね。
内緒、内緒。

だけど、いつまでも君の『特別』でいたいんだ。

・

「相葉くん、最近どう？」

Aちゃんがニヤニヤと俺の腕を肘で押して来る。

「Aちゃんこそ、どーなの？」
「え？」
「ニノと、ラブいの？」
「えっ！？しっ...質問返しは無礼なんだからね！？」

真っ赤になったAちゃんの頭にポン、と手を乗せる。

「ま、何かあったらお兄さんに言いなさい。助けたげるから」
「フフッ、私、お兄ちゃん欲しかったんだよねー」

調子いい笑顔で俺を見上げるAちゃんの頭を乗せてた手でポコンと叩くと、痛ーい！ってしかめ面。

別にね、ときめいたりはしないんだ。
本当に妹みたい。

だけど、心の隅っこにAちゃんは絶対に居るんだよ。

『愛してる』とは違うけど

これだって、意外と『愛』じゃない？

なーんてね。

・・・・・END・・・・・

imagesong→Mr.children『LOVE』