検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:1,320,898 hit

ページ15

『運命共同体』


そうか、そーゆー関係もあるのか...と思った。


お互いの秘密を共有する仲間。
恋する運命を共に!
まさに運命共同体。


バイト先で出会ったAちゃんは、翔ちゃんに恋をした。

何で翔ちゃんばっか...って思うけど、俺だって女の子だったらきっと翔ちゃんに恋してる気がする。

だって、完璧なんだ。
仕事ができるのは当然だけど、フザける事もあるし、緩い所もあるし。
適当にやってる時だってあるのに、抜かりは無い。
だけどちょっと情けない部分なんかもあって、母性本能(いや、俺には無いけどね?)まで擽っちゃう。

しかもイケメン。
はぁ?何だよ、それ。無敵じゃん。
神様、翔ちゃんを依怙贔屓し過ぎ。


とにかく、そんなパーフェクト翔にAちゃんも恋をしたんだ。

そう。
 
Aちゃん『も』恋をした。


これは、俺に良い風が吹いたんじゃないかな?って思ったよ。

もし翔ちゃんとAちゃんが上手くいったら...傷付いた静香さんは俺に泣きついて来るでしょ?
弱った所を攻め込むのは恋愛の定石だ。

きっと、静香さんはいつも傍に居た俺を好きだったのかもしれない...なんて錯覚してくれるかもしんない。
錯覚で良いのかって?
良いの!最初はそれでも。

だって付き合ってく間に本気で好きにさせれば良いんだから。

そんなテクニックあんのかって?
わっかんないけど!でもやってもなきゃそれこそ分かんないでしょ!


俺は、Aちゃんを利用しようとしてた。

Aちゃんの恋を応援してたのは、自分が幸せになりたかったからだ。
静香さんを失恋させたかったからだ。



でも結局、静香さんは翔ちゃんに告白した。
止められなかった。

笑って「頑張って!」なんて言って、心では「フラれろ!」って願って。

そんな汚い奴の恋が実るはずが無い。


翔ちゃんは、静香さんの告白を受け入れた。


翔ちゃんがいつから静香さんを好きだったのかは知らないけど、そんなこと関係無くって俺に関係があんのは


『二人が恋人になった』


その事実だけ。


そんな恋人になった二人を、俺はAちゃんと目撃してしまった。


こんな所まで運命共同しなくたって良いのに。


その帰りだ。

結局、黙ってられなくって自分がAちゃんを利用してたんだって白状した。


罵られても、仕方無い。
嫌われるかもな...せっかく仲良くなれたのに...


俺は覚悟してたけど、Aちゃんの反応は俺の想像と全然違った。

3→←■それもまたひとつのLOVE



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2301 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3429人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:rei | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72  
作成日時:2016年3月16日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。