009：ズルい視線 ページ9
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ダイキ「あー、すっげぇ疲れた」
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やっと荷解きが終わり
綺麗に片付いた
リビングのソファで
ダイキは、おもむろに寝転んだ
ダイキ「あれでも、結構捨てたんだけどなぁ」
「まぁ、よく収まったよね」
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7畳の洋室が2つに
3畳あるウォークインクローゼットと
12畳あるリビング
大人二人が生活するには
充分すぎるくらいの家は
どこもかしくもモノクロだった
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ダイキ「あんな店に居る割に、黒好きなの？」
「店関係なくない？」
ダイキ「なんか黒のイメージねぇな、って」
「黒よりも黒猫の方が好き」
ダイキ「……なんだよそれ」
鼻で笑ったダイキは
ウォークインクローゼットから
服を出しはじめる
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「……今日、出勤？」
ダイキ「んー、出勤しなきゃいけない時期」
「時期？」
ダイキ「バースデー前だから」
「あぁ……なるほどね」
口を尖らせながら支度するダイキは
ソファに寝転がる私の前を歩き回って
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「あー、ホストっぽい」
ダイキ「へへっ、うるせぇな」
そこには
�犹纏�モードのダイキ�瓩�居た
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ダイキ「初日くらい、お見送りしてよ」
「は？」
ダイキ「いいじゃーん、ねぇ」
「……わかったよ」
……ほんと
子供なんだか大人なんだか
よくわかんないヤツ
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ダイキ「(あなた)……」
「……へっ」
躊躇なく近づく顔に
思わず間抜けな声が出た
ダイキ「まさか、照れてんの？」
「……んなワケ」
こんな距離
いくらでも慣れてるはずなのに
ダイキ「じゃあ……、してよ」
後頭部に回ってきた腕は
自然な流れで唇同士の距離を縮めてくから
「……、」
ダイキ「(あなた)、……早く」
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甘い声と鋭い視線に負けて
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仕事中には、しないような
優しいキスを重ねた
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ダイキ「できんじゃん……」
満足そうに上げた口端は
少しだけ余韻を誘って
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ダイキ「……行ってくるわ」
流された黒い瞳は
私の緊張を嘲笑っている気がした
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作者名：▼SOLA | 作成日時：2019年4月3日 11時
