030：気になっていた、こと ページ31
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．
自分だけしか居ないリビングで
膝を抱えたまま
テレビの向こうを眺める
当たり前だけど
内容なんて全然入ってこなくて
一瞬繋がれた小指と
唇の触れた頬にだけ
意識が残っていた
．
．
．
．
すぐ帰ってくる＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ただの言葉なのに
なんで
お守りみたいに響くんだろう
それまで
キツく心を縛っていたものが
緩くなった様に
比べれば
幾分か穏やかには、なった
なったんだけど……
．
．
．
．
．
いつからか
客観視することだけは
得意になっていたから
ダイキとの関係に
疑問を持つことは
なんら不思議なことじゃなくて
�爐燭世瞭欝鐃有�
そこから先の話が
どちらからも出てないことが
気持ちをせき止めて
きっと、それが理由で
上手い言葉が
出てこなかったのかもしれない
．
．
．
．
「はぁ……、」
少し広めのリビングには
小さすぎるため息が
思わず零れた
今まで
ダイキがくれた言葉も
ダイキがしてれた事も
ずっと胸の中に増えていく
でも
疑えば、キリがないし
全てを信じるほどの勇気もない
景色の変わらない道を
走っているようで
どこにも突き当たれないし
どこで曲がる決断もできていない
微睡む気持ちを抱え込みながら
ひとつのことを思い出した
．
．
．
．
．
そういえば……
．
．
それは
ずっと気になっていたこと
テーブルの上にほって置かれた携帯を
手に取り
発信履歴の中を探した
．
．
．
少し、ほんの少しだけ
……聞いてみても、いいよね
気になっていた
引っかかり、を確認するために
見つけた画面から
緑色のボタンを押した
．
．
．
．
．
．
「あ、ごめん。……いま大丈夫？」
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作者名：▼SOLA | 作成日時：2019年4月3日 11時
