021：ひとり、ごと ページ22
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店を出たあと
賑やかな街の中
私は
ゆっくり駅へ歩いた
街行く人々の流れに溶け込みながら
確認した時間は
まだ真昼間で
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制服を着てる人も
スーツを着てる人も
一人で歩く人も
肩を並べて歩く人も
知らない人なのに
なんだか羨ましくて
自然と寂しい気持ちがこみ上げる
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．
．
�犲�めないよな？��
山田からの質問には
答えられなかった
だって
辞めたとしても
この先どうすればいいか
見当もつかなかったから
……けど
この先のことを
考えないといけないのは
わかりきっていること
風俗嬢じゃなくなったら
……なにができる？
男性のあしらい方だけ長けてても
仕事で活かしきれるワケないし
それに、そもそも目標なんて……
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．
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雄也「……(源氏名)ちゃん？」
「雄也……」
小さな声に振り返ると
いつも通りの優しい顔した雄也が
キャップを浅く被り直していて
雄也「なんか予定あんの？」
「……ないけど」
雄也「じゃあ、お茶しようよ」
「……うん、」
いつもは薄暗い中で話すから
太陽が出てる時間に外で会うのは
なんか新鮮だし
それに
雄也に話しかけられた瞬間
寂しさがせき止められる様な
気持ちになった
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．
雄也「俺、コーヒーで」
「あ、私カフェオレお願いします」
雄也「……なんか昼間に顔合わせるの、変な感じするね」
「あ、私も思った」
相変わらず
穏やかな雄也の表情に
寂しさの気持ちは
少しずつ、だけど
溶けていくようで
雄也「なんか、健全なデートっぽくない？」
「雄也のデートって健全さゼロだもんね」
雄也「は、それ失礼だろー」
「へへっ」
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気のしれた空間は
タイミングがどうであれ
やっぱり居心地がいい
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雄也「んで、聞こうか？話」
「……へ？」
雄也「あれ、違った？」
「いや、んっと……」
違わないけど……
なんで気づいたんだろ
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雄也「……見過ごせなかったんだよね」
「……？」
雄也「(源氏名)ちゃんが寂しそうな顔してたから」
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その言葉をかわきりに
気づいたら、最近のこと
雄也に向かって
独り言のように話していた
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022：入ってこいよ→←【作者より：10,000hit御礼】
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作者名：▼SOLA | 作成日時：2019年4月3日 11時
