013：くだらない世界は ページ13
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「……帰ってくるの早いんだね」
静かで
不思議なくらい居心地のいい空間
思わず出てきたのは
つまらない言葉で
ダイキ「ん？あー今日は、ね」
ひと口、ふた口
缶チューハイを流し込みながら
ダイキの話に耳を傾ける
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ダイキ「一応、誕生日だから早く帰ってきた」
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「えっ……今日……？」
ダイキ「あ、日付変わったから……昨日か」
ニコニコ笑うダイキは
事を何とも思ってないみたいで
「言ってくれれば良かったのに……」
ダイキ「バカ、言ってどうすんだよ」
優しく叩かれた頭に
ダイキの優しさが伝わってくる気がした
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ダイキと話して
一緒に過ごす時間が増えるたび
抱いている疑問は
少しずつ大きくなっていく
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オンナには困ってないはずなのに
言うことを聞いてくれる人なんて
たくさん居るはずなのに
……なんで私だったんだろう
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ダイキ「なぁ、(あなた)」
「ん？」
ダイキ「ドライブ行こ、今度」
「ん……うん」
ふいに並んだ視線に
こんなにソワソワするなんて
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ダイキ「俺、しばらくは店行くこと増えるけど。(あなた)が休みの日に……さ」
「わかった」
ダイキ「ん。……あ、これ飲んだら寝るけど。(あなた)は？」
「私も、寝ようかな」
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右往左往する気持ちは
ダイキに気づかれていないみたいで
広げそうになった気持ちを
そっと全部飲み込んだ
．
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ダイキ「……コレ、片付けなくていいよな？」
「まぁ……、いいんじゃない？」
ダイキ「夜は、一緒にココで飲もうよ。あ……たまに、でいいけど」
鼻の下を擦りながら
缶チューハイを片付けはじめるダイキからは
やっぱり
夜の街の雰囲気は
微塵も感じられなくて
「そうだね、たまに。」
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傍から見たら
私達が、くだらない世界に居ることなんて
私達が、こんな世界に浸っていることなんて
全部気づかれないままで
居られるのかな
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「おやすみなさい」
ダイキ「ん。おやすみー」
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気づけば、そんなこと
思う自分が居た
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作者名：▼SOLA | 作成日時：2019年4月3日 11時
