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和尚「それに加え、以前にも増して巻物を探ろうとしているようです。連れ去った者の家を荒らして、しらみつぶしに家を襲うつもりでしょう」
「ひどい…」
Aの本心が漏れ出た。何も罪のない村人にそんな荒いまねをすることも、それをするのにドクタケに成りすまして印象操作をしていることも、何もかもが許せない。
和尚「そう、怒らないでください」
「…すみません」
目の前の和尚さんには怒りが伝わってしまったようだ。このままでは感情的になりそうだったので、一旦落ち着こうと小さく深呼吸した。
和尚「ですが…その様子を見て、確信しました。やはり、あなたに預けましょうかね」
「…？」
そう言うと和尚さんは自分の近くにあった木箱を正面に持ってきた。その時初めて、Aはその箱を認識した。
「気が付かなかった…」
和尚「これは今まで奥にしまっていたんです。開けますね」
カコン、と硬そうな音を立てて木箱の蓋が開いた。
「これって…」
和尚「巻物です」
箱の中から、立派な巻物が顔を覗かせた。分厚く、昔から伝わると思えないほど状態がいい。表紙は鮮やかな緑色をしている。
和尚「実は、城が落とされる前に別へ移したと申し上げましたが、ここにしまっておいたのです。これをあなたに預けようかと思っています」
「え、何をおっしゃるんですか…！？」
和尚「じきにこのお寺にも城の者がくるでしょう。力づくで巻物を取られるとなると私達では守り切れません。騒動が収まるまで安全な所でこれを守ってほしい」
「ですが、なぜ私に…」
和尚「実を言うと自分でも分からないのです。私はあなたのことを詳しくは存じ上げておりません。ですが、初めてお会いした時、あなたが村の平和を大切にしている姿にどうも心を打たれてしまったようで…初対面だったのに、なぜでしょうね」
和尚さんは髪飾りの話をした時のことを思い出しているのだろう。Aが髪飾りを大切にする姿を見て、この人にならと思ったそうだ。
しかしAはすぐには受け取れなかった。
そんな大事なものを…という気持ちももちろんなのだが、いちばんは自分がドクタケであることだった。
この村からしたらドクタケは村を荒らす残酷な城である。そして、それが濡れ衣であることを知っている人はこの村にはいない。さらに、今目の前にいつ薬屋に娘がドクタケであることをこの和尚さんは知らない。
(面倒な相関図…)
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いちごもんすたー(プロフ) - しょーぞーさん» コメントありがとうございます！今後も頑張ります！ご意見参考にさせて頂きます。 (2021年10月3日 23時) (
レス) id: 9d6884059d (このIDを非表示/違反報告)
しょーぞー - こんにちは〜いつも楽しく拝見してます^o^後者のドクタケに戻ってもらうに是非一票入れさせて下さい〜 (2021年10月3日 13時) (レス) @page50 id: fc776c6f0e (このIDを非表示/違反報告)
いちごもんすたー - しょーぞーさん» そう言っていただけて嬉しいです…！これからも頑張ります！ (2021年9月27日 0時) (レス) id: 4f0800c484 (このIDを非表示/違反報告)
いちごもんすたー - さくらさん» コメントありがとうございます！今後もちまちまとですが頑張ります！！ (2021年9月27日 0時) (レス) id: 4f0800c484 (このIDを非表示/違反報告)
しょーぞー - とっても面白いです！連載ありがとうございます！(;o;) (2021年9月26日 20時) (レス) @page22 id: fc776c6f0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蓮生 | 作成日時：2021年9月16日 21時
