潜入調査の段 ページ11
Aは綿密に情報収集を行うため、しばらく町に泊まり込むことになった。住民に溶け込むことで、少しでも警戒されないようにするためである。
「すみません、この辺りにお宿はありますか？安くていいので」
「あらお嬢ちゃん、最近よく来るわねぇ。ここ、気に入ったんかい？」
「はい。皆さんとても親切で、しばらくこの辺りで宿を借りて薬の販売を行いたいと思っていて」
「うれしいこと言ってくれるじゃな〜い！それに、若いのに立派なのね」
「とんでもありません。私、何年か前に村を出てこうして商売をして歩いているんですけど、やはり今までは子供を相手にしてくれる所が中々無くって。ここの人たちは未熟者の私のことでもこうやってお話の輪に入れてくださったり、私の売る薬で元気になったよって言ってくださったり、本当にお優しい方ばかりです」
「あらぁ、今まで苦労したのね。安くてもいいお宿を貸してあげたいわ」
「あぁそれなら、前まで小さな宿屋だった建物があるわ。宿だっただけあって住むのには向いているはずよ。部屋を上手く使えばそこで商売もできるわ」
「えぇ、そんないい所私にはもったいないですよ！」
「いいのよ〜使わないままだとそのままさびれちゃうんだから、遠慮しないで使っちゃいなさい！」
「まぁそんな…本当にありがとうございます」
少々大げさなエピソードを盛り込みつつ、五車の術を絶妙に使って上手く住民と仲良くなり、町で薬売りの少女となりながら調査を進めた。
ここへ来てしばらくたった頃
「おつかい、ですか？」
「そう、村にあるお寺に住んでいる住職さんが体調を崩してしまったそうで…ほらあそこ、例のドクタケに狙われている所だから頼もうか迷っていたんだけど…」
「あぁ、その村ですか…」
これは、またとないチャンスだ。正当な理由で村へ入り、村の様子や、ドクタケに成りすましている奴らのことをこの目で見ることができる
それにお寺の住職さんなら、巻物のことを何か知っているかもしれない。
「危ない所なんだけどね、この辺りでお嬢ちゃんくらい薬に詳しい子がいなくて…」
確かに、相変わらず被害の噂は絶えないし、むしろ嘘の噂によって他の城まで首を突っ込んでくる事態になりつつある危ない村ではある。
ただ、ドクタケからの情報によると、忍術学園の生徒がその村を見張っているらしい。
大丈夫、いざとなったらイケメンお兄ちゃん達が助けてくれるよね！
ということでおつかいを引き受けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 31人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いちごもんすたー(プロフ) - しょーぞーさん» コメントありがとうございます！今後も頑張ります！ご意見参考にさせて頂きます。 (2021年10月3日 23時) (
レス) id: 9d6884059d (このIDを非表示/違反報告)
しょーぞー - こんにちは〜いつも楽しく拝見してます^o^後者のドクタケに戻ってもらうに是非一票入れさせて下さい〜 (2021年10月3日 13時) (レス) @page50 id: fc776c6f0e (このIDを非表示/違反報告)
いちごもんすたー - しょーぞーさん» そう言っていただけて嬉しいです…！これからも頑張ります！ (2021年9月27日 0時) (レス) id: 4f0800c484 (このIDを非表示/違反報告)
いちごもんすたー - さくらさん» コメントありがとうございます！今後もちまちまとですが頑張ります！！ (2021年9月27日 0時) (レス) id: 4f0800c484 (このIDを非表示/違反報告)
しょーぞー - とっても面白いです！連載ありがとうございます！(;o;) (2021年9月26日 20時) (レス) @page22 id: fc776c6f0e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蓮生 | 作成日時：2021年9月16日 21時
