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「嘘付け、お前好きなんだろ、照れ隠しか」


くつくつと喉の奥で笑うように言う宇髄先生。

本当にやめてほしい。


疑ってくれないと嫌。



「ああ、宇髄!」


笑顔で先生に呼びかける男。


私は丁度、背で隠れていたから見えなかったけれど。

少し覗いた瞬間。






「君もいたのか」




気づかれ、早足でこちらに向かってきた。




嫌だ。


私が笑いかけた途端、チャイムが鳴り、足は逃げるように動いた。




その気分の悪さは。



「あぁ、それでな…」



教師の来ていない教室で。



私ではない誰かに笑いかける貴方で塞がった。









声が好き。




視線がすき。


笑いかけるその笑顔が好き。



努力の詰まったマメやタコがある手が好き。



どんな性癖も努力も受け止めてくれる貴方が好き。





ねぇ、全部好き。









そのままで。

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作者名:いぬお | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2019年12月15日 11時

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