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「好きです、僕と、僕と付き合っ」
「ごめんなさい」
気分が悪くなるくらいの快晴。
雲が一つもない空にぎらぎらと光る太陽。
眩しくて目を逸らせば私に思いを伝えたであろう、彼がいた。
彼は私の返事を聞くと、耳まで真っ赤だったはずなのに睨みつけて「クソアマ」と呟いた。
興味のない人、ましてや好きでもない人から向けられる好意なんて。
気持ち悪いし。
目のやり場の芝生にとうとう蟻が現れて、いよいよ見るものを失った。
虫は嫌い。
人も嫌い。
どうせ矛盾を抱えて生きて他人を捨てるのなら、自分を蔑ろにして貴方を愛す。
それで十分。
階段を駆け上がって、教室に入る。
ねぇいつだったか言ってくれたでしょ。
愛するより愛される方が幸せだって。
ねぇ炭治郎は幸せ?
ねぇ
「炭治郎」
「あ、Aじゃないか、何処行ってたんだ?」
ねぇ炭治郎。
「む、幸田か」
「そうです、実は俺の幼馴染で」
ねぇ炭治郎。
どうして?
いいえ、煉獄杏寿郎先生、どうして炭治郎といるの?
やめてよ、汚させないわよ、炭治郎は。
「どうしたんだ、Aから怒ってる匂いがするぞ」
「そうかな」
笑みを貼り付ける。
「竃門少年、幸田と話をしても?」
「いいですよ、あ、Aはいいか?」
いいわけないけど。
無理に笑って頷く。
許
さ
な
い
。
口パクで伝えた言葉。
気付いて。
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