リップクリーム ページ2
最近、唇がガサガサだ。
見た目は口紅で誤魔化せるけれど、感触は誤魔化すことができない。
リップクリームを買う暇もないし、あっても見バレが怖いので買えない。
だから、大好きな我妻君とのキスも断り気味になっている。
流石に十回も断っていたら我妻君も心配するだろうし。
覚悟を決めて立ち上がると、我妻君に抱き寄せられ、倒れ込んでしまう。
「あ、我妻君…」
我妻君の困ったような顔は眉ですぐわかる。
ぽかぽかした胸板が頬にあたって、思わずニヤけてしまう。
ドキドキとうるさい鼓動に耳をすませていれば、我妻君の心配そうな声がした
「最近キス、嫌になった?」
「そんなこと、ないよ」
抱きしめる手が強くなる。
「そんなことある、俺とするの嫌がってたでしょ」
「ぇ、うん」
やっぱりバレていた。
鋭い彼には全部お見通しだ。
私は唇を突き出して目をぎゅっと瞑る。
これは私と我妻君のキスの合図で、こうすればすぐにキスの雨は降ってくる。
つがいの小鳥のように、触れるようなキスをしたあと、唇を長い間くっつけてゆっくりと呼吸しながら唇と唇で愛しあう。
目を開ければキスは終わっていて、我妻君が恥ずかしそうに笑う。
「やっぱり、唇ガサガサ」
「知ってたの?」
うん、と頬を緩めた彼は「ちょっと待って」と後ろを向くと不意打ちかのようにキスをした。
甘い蜂蜜やバニラの香りが鼻を擽り、こっくりとした固形上のものが塗るように私の唇を撫でる。
(リップクリームだ…)
こういうとき、我妻君の優しさには惚れてしまう。
「…ん、Aちゃん、好き」
「私も好き」
それを何度か繰り返し、一週間、見事に唇は私と我妻くん、ぷるぷるです。
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mo - あっ。好きだわ。作者!がんばって!応援してるよ!! (2020年1月5日 21時) (レス) id: 6d81f54855 (このIDを非表示/違反報告)
いぬお(プロフ) - 十六夜さん» ありがとうございます(歓喜) (2019年12月25日 18時) (レス) id: 5294fb0fb4 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - えっ、好き()応援してます!!頑張ってください!! (2019年12月25日 17時) (レス) id: 447a13bfc7 (このIDを非表示/違反報告)
いぬお(プロフ) - し ゅ が ー ち ゃ んさん» 無理はしないよう、頑張りますね、応援ありがとうございます!番外編も読んでくださって、、ありがとうございます! (2019年12月11日 21時) (レス) id: 5294fb0fb4 (このIDを非表示/違反報告)
いぬお(プロフ) - 猫まんまさん» 本編から読んでくださっている方ですね、嬉しいです、ありがとうございます!番外編頑張りますね! (2019年12月11日 21時) (レス) id: 5294fb0fb4 (このIDを非表示/違反報告)
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