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帰り際、バレる趣味 ページ8

「さっ、先程はすいませんでした!」


私に頭を下げて謝る観音坂さん。

何で謝るのかちょっとわからないでいるが、まぁ、申し訳ないので私も一応謝った。


「あ、私こそすいません、何か…」

「いえいえ、俺こそ、その、すいません」


そして二人同時に頭を下げた。



なんだこれ謝罪大会か。



とりあえず五回くらい頭を下げて、帰る準備をする。
本当、今日こそ行かないと。



社会人だと言うのに、ハイヒールではなく、スニーカーを履いて駆け出す。



急げ急げ、と足を前に出して走る。




「あのっ」


水溜りに頭ごと突っ込んでしまう直前に、腕を掴まれ、何とかなる。


おい、誰だ、私の歩みを止める者は。



「あ、えっと、Aさ、ん」



「今日のお礼に、何か奢らせてくださいっ、」



顔を赤くして、必死に話す観音坂さん。


追い掛けてきたのかと思うと少し驚いた。



「え、あ、あのえっと」


「もしかして、この後、用事とか…」



オドオドしながら話をする私達。


やっぱりコミュ障は治っていないようで。



二人とも頭を下げたり、口籠ったりだった。





けれど、顔を上げたとき、観音坂さんに近付く彼を見てしまい、息を飲んだ。



「あ、独歩君!」



今までに見せたことのない笑みを張って近付いてくる彼。


会いたかった人、私の虹。




「一二三、今は、ちょっと、Aさんが」


「へぇ、子猫ちゃんはそんな名前だったんだ」



ニコニコしながら、昨日ぶり、と言う彼。



待ってやめてくれ本当に。


「え、Aさんって、えっと、」


焦ったようにチラチラと見てくる観音坂さん、そう、その通り。


ホス狂い。



今ならホス狂いましょう!とか言えてしまう。




「そうそう、よく僕を指名してくれるんだ」



「へ、へぇ」



わかる、自分の顔がびっくりするほど赤いのが。



多分耳まで真っ赤だ。



とりあえずおいでよ、と笑う彼。



独歩さんはしぶしぶついて来てくれた。


先輩、生きていますか?



今なら私は死ねそうです。

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ゆる - 面白かったです!!完結おめでとうございます!! (2020年8月7日 9時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
いぬお(プロフ) - 名有りさん» ありがとうございます!励みです! (2019年11月18日 16時) (レス) id: 5294fb0fb4 (このIDを非表示/違反報告)
名有り - 凄い好きです!!!応援してます! (2019年11月18日 7時) (レス) id: 866a33e64d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いぬお | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2019年11月13日 20時

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