こっそりアイドルやってたのが隣の(ファン)にバレてしまった【キメ学】

意識しちゃう系男女 ページ7

次の時間は体育で。

寒がりな私にとってまだ春の気温は冬に等しい。
だというのに、


「ごめんねぇ？それ雑巾かと思ってさぁ〜」


ジャージがバケツに浮いていた。

しかも雑巾を絞ったもの。



なんで使用済みバケツがあるんだ、流せよ。



ズボンもやられたらしく、半袖にブルマという最悪の組み合わせだ。

保健室の先生に借りようとはしたんだけど、七三分けの中等部の少年がそれを許さなかった。



「寒い」


それに外で体育だ。

終わった、そして冨岡先生。




「寒い…」


「Aちゃん！これ、着ていいよ！」


「我妻くん？」



終わったと思っていれば手渡されるジャージ。

しかも我妻くんのだ。



「あ、我妻くん、ありがとう」


そう言って上から着てみる。
案外ぶかぶかで、大きく書かれている


「桑島…？」


あれ、これって我妻くんのじゃ…？



「アアアアアアア間違えたこっちだあああ！！」


叫びながら私の服を剥ぎ取るとジャージを押し付けた。


待って待って私の服全部剥ごうとしないで！


「獪岳の着ないでぇぇぇ、お願いだからあああ」


「分かった、分かったから、脱いだから、、」



「やめろ我妻！」



叫ぶ我妻くん、怒る冨岡先生。


その体育は地獄だった。



でも、




「我妻くんの、ジャージ、うれしいな」


「へっ！？」




いいことも、ある。

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