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あまりにも散策が楽しくて町の端から端まで歩いた。
町のはずれの、頑張ればその先に畑が見えそうなぐらい落ち着いた区画まで来てしまった。
ここから城に戻るのはちょっと時間がかかりそうだな。
そろそろ帰るか、と小物や服などの戦利品が入った紙袋を持ち直した時、事件が起きた。
「お嬢ちゃん、なんか落としたよ！」
後ろからポン、と肩に手を置かれる。
「え？ありがとうございま…」
近くに人なんかいたっけ？
後ろを振り向くと、頬に痛みが走る。
反射的に持っていた荷物を手放しながら後ろに飛びのいた。
「なんなんですか。」
頬を拭うと拳に血
一応軽傷、
「別に殺したいわけじゃないからさ、顔貸してよ。」
ローブのフードを深くかぶり、ゆらゆらと揺れる男。
右手にはナイフがあった。
「あと良ければ肩と膝と、足の健。ヒヒッ」
完全に狂人だ。
肩はまだいいが足をやられたら逃げられなくなる。
これは早めに距離を取った方がいい。
男の遥か後ろに聳え立つ城、まずどうやって切り抜ける？
「ていうか死なれたら困るんだよねぇ。」
ザリ、と一歩男が近づいてくる。
「ギリギリ生きてて、」
頭では前方に行かなければならないと思っているのに、生理的に半歩下がってしまう。
「ギリギリ喋れて、」
男の膝にクンッと力が入るのが分かった。
「『やっぱり女が男の人に勝てる訳無いですよぅ』って、泣き叫んで欲しいんだって」
『やっぱり』？
私のことを何か知ってる？
突進してくる男に対し、とりあえず距離を取る。
動きはあまり早くない。
「無様に、みにくく？だっけ、」
しかし視線で動きを読もうにも、フードで遮られていて難しく、何よりこちらに武器がない。
「ちょっと俺難しい言葉わかんないんだけど、」
「なんかブサイクに泣いてほしいんだってさ。」
ゾワッとする、彼自身のものじゃない。
彼の雇い主の、私への悪意を感じとる。
でもいいことがわかった。
ターゲットが私固定なら、町の中で撒けばいいじゃないか。そう思い、町に足先を向ける
「あ、町に行こうとかしないほうがいいよ。ホラ俺、本職ボマーだからさ。」
アンタ殺すよりも先に町をお祭り騒ぎにしちゃうかも知れない。
そう笑った彼の声は私への悪意の言葉より嬉々としていて、本気度が伝わってくる。
冗談じゃない、この状況で勝たなきゃいけないのか。
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Aya(プロフ) - ボマー！？お前性格イケメンかよ！？多分任務失敗したら消されるからの自爆だろ!!!任務より自分の気に入った相手優先とかヤバい(途中までしか見てない人の勝手な感想) (2021年6月8日 3時) (
レス) id: b462e5db2b (このIDを非表示/違反報告)
燕(プロフ) - ROM専さん» 勢いの良さに笑っちゃいました…！ありがとうございます（？） (2019年9月26日 7時) (レス) id: 2e704aa56d (このIDを非表示/違反報告)
ROM専(プロフ) - mnちゃああああああああああ (2019年9月25日 20時) (レス) id: 19a3a955e7 (このIDを非表示/違反報告)
燕(プロフ) - にーたさん» 周りに説明する時は丁寧だけど胸中ではズバッと決まってそうなのでこういう表現にしました！色々考えた結果の文字数なので刺さったなら嬉しいです！コメありがとうございました！ (2019年9月22日 10時) (レス) id: 2e704aa56d (このIDを非表示/違反報告)
にーた(プロフ) - 46の一文に痺れました。語らないでズバッと切るところが最高にカッコいいです。 (2019年9月21日 23時) (レス) id: 8f97026b0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燕
| 作成日時：2019年8月23日 19時
