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「だから！」
声が聞こえた気がして目を開ける。
ほら、目を閉じていた。やっぱり夢じゃないか。
「お？起きた？」
帰結しかけていた暢気な思考は一秒にして打ち砕かれる。
開いた視界の真ん中には黄緑色の綺麗な瞳、好奇心が抑えられていない端正な顔と近距離で目が合う。勿論その背景は見慣れた自室ではなくて…それよりも遥かに高い天井。
「って緑パーカー！」
大声を上げながらズザササッと後退。その動きでしっかり痛むお腹が、先程の蹴りが現実だと教えてくれた。
一方、痛みの元凶はケラケラと楽しそうにしている。
「ゾムやで、緑パーカーは流石に無いわ〜」
今どきの若者のような態度で咄嗟に出た呼称にバッサリとジャッジを下す彼。
その声色は不審者と対峙するものよりも……
…新しいおもちゃを見つけて、舌なめずりをしながらどう遊ぶのが一番かを考えている犬や猫や…もっと怖いオオカミやトラみたいな感じだった。
彼は私がそんなことを考えているとは露知らず「今二人とも話に夢中で君のこと見えとらんから、俺が監視役、離れんといてな」と私のすぐ横に座り込んだ。
逃げようとしてまた蹴られても仕方がないので大人しくする。そして二人の間で訪れた沈黙が、少し先で繰り広げられていた口論を浮き彫りにした。
何やら金髪の人と茶髪の人が大声で話をしていたのである。
「いーや！『トリップ』だゾ！絶対に！過去の文献でも何冊かあるんだ、嘘じゃない！オカルトが現実になった瞬間に立ち会えたんだ！」
「オカルトはオカルトや！オカルト舐めんな！はっきり証明したいんやったら全部の可能性否定してからにせえ！」
「あの、」
小声で緑パーカーもといゾムさんに語り掛ける。
「トリップってなんですか？」
「ん〜？ほぼAがいってた神隠しに近いで。一般人が突然別世界線に放り出されるってヤツ。ま、ファンタジーやと俺は思うけどな！」
ホンマに知らんの？ヤク常用者の虚言にしか聞こえへんよ？
と、つまらなさそうに伸びをしながらも彼は律義に答えてくれた。
「あ、起きたんですね」
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Aya(プロフ) - ボマー！？お前性格イケメンかよ！？多分任務失敗したら消されるからの自爆だろ!!!任務より自分の気に入った相手優先とかヤバい(途中までしか見てない人の勝手な感想) (2021年6月8日 3時) (
レス) id: b462e5db2b (このIDを非表示/違反報告)
燕(プロフ) - ROM専さん» 勢いの良さに笑っちゃいました…！ありがとうございます（？） (2019年9月26日 7時) (レス) id: 2e704aa56d (このIDを非表示/違反報告)
ROM専(プロフ) - mnちゃああああああああああ (2019年9月25日 20時) (レス) id: 19a3a955e7 (このIDを非表示/違反報告)
燕(プロフ) - にーたさん» 周りに説明する時は丁寧だけど胸中ではズバッと決まってそうなのでこういう表現にしました！色々考えた結果の文字数なので刺さったなら嬉しいです！コメありがとうございました！ (2019年9月22日 10時) (レス) id: 2e704aa56d (このIDを非表示/違反報告)
にーた(プロフ) - 46の一文に痺れました。語らないでズバッと切るところが最高にカッコいいです。 (2019年9月21日 23時) (レス) id: 8f97026b0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燕
| 作成日時：2019年8月23日 19時
