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24日目 ページ25

音楽音楽って部屋にこもる君も好きだった。



一生懸命で目を輝かせる君が好きだった。



まふまふくんの一番はきっと音楽で、その次がリスナーさんで






私はきっと、その中には加わっちゃいけない。










だってまふまふくんは皆のまふまふくんだから。












だからライブの時は生理二日目で身動きが取れなくても

急に何にもないのに涙があふれても





絶対に寂しいとは言わなかったし




体調が悪いとも伝えなかった。







これを気遣いではなく強がりと真冬くんが言うのなら絶対に間違っている。





みんなのためのまふまふくんが真剣に準備しているのに

真冬君が私のための心配をするなんて論外だ。












それでも彼女だから、一番で居たかった










本気で心配してほしかった。

寂しいって言いたかった。












でもいざ口を開こうとすると声が出てこない。








また、涙があふれて止まらなくなる。





「お待たせ。あ、もーまだ泣いてる」












湯上りでほほを赤らめたまふくんが、天蓋の隙間から顔を出した。








そんなに優しい目で見ないで。




今の私はまた、あなたの元カノになれてない。


















「ほら、おいで」





大きく広げられた腕枕に


2人の隙間をなくすように密着した。





足を絡ませると、慣れた重さに安心する。











「こっち向いて」











見上げるとまた私の大好きな綺麗な顔が微笑んでいる。









涙をぬぐう指は細いけれど骨ばっていて、指の腹が固いこと。




きっと彼女の距離にいる私しか知らない。




リスナーさんはこの顔を知らない。






この熱のこもった瞳も、わたしをすっぽりと覆い隠す体も





私だけのものであってほしかった。










涙をぬぐった手が、私の頬を覆う。








『ん……』







短いキス。





物足りない。













「んっ…もう、ちゅー好きだねぇAは」


『ちがうもん。まふくんがちゅーしたそうだったからしてるだけだもん』



















また、強がり。










短いキスはだんだん長くなって


















舌を、絡め合わせる。











『んン…ぁ、んっ…』
















小さく響く水音を絡ませながら





ひんやりとした長い指が、服の裾から侵入する。











お腹をすべって、もっと上へ。







『んん…っ!』

「シよ?」






私だけを見て。今だけは。

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設定タグ:mfmf , まふまふ , 歌い手   
作品ジャンル:恋愛
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宵闇 ルア(プロフ) - もう一回見てみたんですけど、最後のかつて彼氏だった彼の声のところの後に出てきた人はまふくんじゃないかなって思ってます (2023年1月8日 22時) (レス) @page41 id: d7473b096e (このIDを非表示/違反報告)
涙靜(プロフ) - 見つけてくださって、ここまで見守ってくださって、本当にありがとうございました!思い出した頃にまた振り返っていただけたら嬉しいです! (2022年12月6日 23時) (レス) id: 82f86f91ed (このIDを非表示/違反報告)
Ruriyuri - 私いろいろな界隈の小説を読んでいるのですが、とても久しぶりに心に来る小説を見付けました。本当に珍しいことでこのような小説に出会えてとても嬉しいです。とても感動しました。 (2022年12月5日 21時) (レス) @page41 id: 825b0bc841 (このIDを非表示/違反報告)
涙靜(プロフ) - おみさん» 最後までお付き合い頂きありがとうございました!泣かせるぞ〜!と思って書いてたので、本望です笑ありがとうございました! (2022年12月1日 1時) (レス) id: 82f86f91ed (このIDを非表示/違反報告)
おみ(プロフ) - 完結おめでとうございます!すごい泣きながら読みました (2022年11月30日 22時) (レス) @page41 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:涙靜 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年11月6日 11時

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