1日目 ページ2
『まふくん!!ねぇお願い待って!ちゃんとお話ししよう、、?』
「いや話したくないって連絡したじゃん〜
もう時間遅いし寝かせてよ、明日も早いんだよ」
私が必死に訴えても、君はあきれたように笑いながらかわし続けた。
いつもはこんなんじゃなかったのに。
君は、さっきまで、いいや今も彼氏の相川真冬は
こんな冷たい人じゃない。
『ねぇ!
っねぇ、出て行ってごめんなさい、毎日小言多くてごめんなさい!
ねぇお願い、やだ、別れたくないっ__』
あぁきっと私は映画のヒロインみたいに惨めに汚く泣いているんだろう。
君はもう別れたつもりなのかもしれない。
でも私はまだ別れるなんて認めていない。
『ねぇ___ねぇ聞いてよぉ____っ』
「聞いてるってば〜
明日早いっていったでしょ?ほらもう今日は寝よう?」
知ってる。
まふくんは気分屋さんだから、今はなさなければ永遠に話す機会を失ってしまう。
それでも、いつものように掛布団を広げられたら
許された気になっていつも通りもぐりこんでしまう。
もしかしてさっきの「もういいよ」は
言いすぎちゃったごめんねの「もういいよ」だったのかもしれない
もう話も聞きたくないの「もういいよ」じゃなかったのかもしれない
そんなわけないのに、また言葉にできずにこうやってぐるぐると思考だけが進んでいく。
きっとこの癖を、まふくんは嫌がっていたんだろう。
いつも「ちゃんと話して」って手をつないでくれたのに
口に出すのが怖くて、何度もくちを開けては閉じて、泣いて、何時間でもそうやって黙っていたから。
「はいはいお休み〜
早めに引っ越し先見つけてね。」
_______頭を、鈍器で殴られた気分だ。
まふくんの腕枕のなかで、また新たにぼたぼたとあふれ続ける涙を
まふくんは“いつも通り”
自分の胸に押し付けて目を閉じてしまった。
『ごめっ、な、さいぃ、、っ』
起こしては悪いとこんな時でも小声で放った、何に対しての謝罪なのかわからない言葉を
きっと君は寝たふりをしながら聞いているんでしょう?
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宵闇 ルア(プロフ) - もう一回見てみたんですけど、最後のかつて彼氏だった彼の声のところの後に出てきた人はまふくんじゃないかなって思ってます (2023年1月8日 22時) (レス) @page41 id: d7473b096e (このIDを非表示/違反報告)
涙靜(プロフ) - 見つけてくださって、ここまで見守ってくださって、本当にありがとうございました!思い出した頃にまた振り返っていただけたら嬉しいです! (2022年12月6日 23時) (レス) id: 82f86f91ed (このIDを非表示/違反報告)
Ruriyuri - 私いろいろな界隈の小説を読んでいるのですが、とても久しぶりに心に来る小説を見付けました。本当に珍しいことでこのような小説に出会えてとても嬉しいです。とても感動しました。 (2022年12月5日 21時) (レス) @page41 id: 825b0bc841 (このIDを非表示/違反報告)
涙靜(プロフ) - おみさん» 最後までお付き合い頂きありがとうございました!泣かせるぞ〜!と思って書いてたので、本望です笑ありがとうございました! (2022年12月1日 1時) (レス) id: 82f86f91ed (このIDを非表示/違反報告)
おみ(プロフ) - 完結おめでとうございます!すごい泣きながら読みました (2022年11月30日 22時) (レス) @page41 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
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