友だち以上元カレ未満【mfmf】

プロローグ ページ1

まふゆごめん。
やっぱり別れよう。



最近、ちょっとした口げんかが多くなってきたことは自覚していた。




君は録音だ、打ち合わせだ、ライブだって毎日遅くに帰ってくるし、




今日は何時に帰ってくるよ！と元気に出て行ったかと思えば




連絡も無しに帰宅時間から2時間、3時間と過ぎても帰ってこない。




悪びれもせずに「ただいま〜！」って




「帰ってきてんじゃん。連絡返さなかったのはごめん。でも何が不満なの？」って





ベッドで泣きながら待っている私に




あーあ、今まで楽しかったのが台無しだって顔で問いかける毎日。




私の心配と、寝顔以外の顔をちゃんと見る時間もとれない日々に
じわじわ溜まっていく私の言えなかった本音と、甘えたい気持ちと、不安と、嫉妬と、あとはなにか。




そんなもの、きっと君は興味もないんだろう。






Aすぐに帰る。
ちゃんと話そう。






今日もまた日付が回ったころに楽しそうに帰ってきて、ちょっとお酒の香りがして






あぁ、この人の“楽しい”の要因に、“帰りたい”理由に





私はなれないんだと






悲しくて家を飛び出していた。







今すぐに話さなきゃ。






こんなに寂しいけれど、毎日喧嘩もしていたけれど、私以上に君のことを好きな人はいないよって。






絶対に後悔するよって、






今まで勝手に気を使ったつもりでしまい込んでいた本音を、今だけは素直に話さなきゃ。







そうしたら、君は優しいから






きっといつも通り「もういいよ分かったよ。」






そう諦めてくれるって






今日もそう信じていた。






深夜、1時になるちょっと前。






今は泣くな。許してもらえてから、「出て行ってごめんなさい」って





そうしてから泣きながら謝るんだ。






きっと今日も大丈夫。






そう思って走った。君が待っている家へ。





私たちの家へ。







まふゆ無理。話したくない。
もういいよ。


















「え＿＿＿＿＿＿＿＿」









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